【スカステ】【花組】「はいからさんが通る」感想 その2(キャスト個別感想)。感情が揺れている方が魅力的

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前回に引き続き、今回はキャスト別の感想になります。
びっくりするようなネタバレはないかと思いますが、やはり観ている方向けといいますか、観ていない方からすると「これネタバレやん!」となる可能性がないとは言えませんので、気になる方は閲覧を控えていただければと思います。

お話の全体については(ネタバレ含む)ひとつ前の記事を御覧ください。

 

 

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キャスト個別感想

主演の方々も含めて、個人的に気になった方の感想を完全な偏見で書いていきます。

柚香光さん(伊集院忍役)

いや~、ポーで歌上手くなったなぁ…。最初がそれかよ、という感じですが。
柚香光さんと言えば「ビジュアル至高・演技もよし!ダンスもかなりお上手!ただ、歌が…」という評価が多いジェンヌさんです。

最新の本公演「ポーの一族」で「れいちゃん、歌上手くなったね…!」という声があちらこちら、それこそ観劇後の近くの席の方からも聞こえるくらいでした(マジで多かった)。

この作品では、ポーに比べたら歌唱力は高くないです。
まさに「青い」といっていいでしょう。でも、その青さが伊集院忍というキャラクターに合っていることも事実だな、と観終わったあとに感じました。

私のおぼろげな中の伊集院忍は、いうなれば「スーパーマン」です。顔良し!家柄よし!実績(?)よし!という。実際、一幕ではそんな彼をこれでもか!とアピールするような動きだと思いました。

私の中で「柚香光」という役者は「繊細」というイメージがあります。
セリフなどの発声はどちらかと言えば男らしく声を張るタイプで、笑い方などは「おっ、ナポレオンかな?(カリスタの海に抱かれて参照)」と思わなくもないですが、微妙な心の機敏を出すことが出来る素晴らしい役者さんだと思っています。

一幕ではあまり感情を出さないといいますか、「いい子フィルター」がかかっているような感じで少々物足りなさを感じていました。

もちろん、ビジュアルパンチ力の高さは今更語ることではありませんし、立ち姿も決まっています。これはもうわざわざ書かなくても観てる人みんな思ってると思う。
しかし、自分の見たい柚香光はこれじゃねえんだ!という感じ。

しかし、伊集院忍という人間の中にも葛藤を抱えていたり、揺れる心というものは当然あります。
二幕では本来の魅力が出てきたな!という感じがします(個人的感想です)。
れいちゃんは感情を揺さぶられることで色んなものが迸る役者だと思っていますので(個人的感想です)、二幕の彼女の方がずっと好きです。

どうしようもなく苦悩する表情や、その中で紅緒さんに会えて心が解けるような表情など、「これが見たかったんだよなあ~」となるシーンも多く、楽しめました。

まあでも、やっぱり彼女のスターオーラはすごいですね。パワーがあって。
中心にいる人なんだろうな…という力を感じますので、これからもその良さを伸ばしつつ、さらに大きいスターさんになってくれたらいいなあと思います。

華優希さん(花村紅緒役)

いつも子犬みたいな顔をして、可愛らしい華ちゃん。
(ナウオンでの彼女は本当に子犬のようで、彼女が発言すると皆が「うんうん」と頷いていて、とても可愛がられているんだな…と感じました)

紅緒はおきゃんなはいからさんでしたが、彼女もまた「青さ」が武器となっていました。(小柳奈穂子先生も仰ってましたね)

発声などは(当時)まだまだ、という感じではありました(個人的な感覚ですが、セリフが聞き取りづらいと「発声があんまりなのかな」と感じています)。
しかしそれをはねのけるようなオーラと魅力で、とても生き生きと「花村紅緒」を演じているように感じました。

ちょっと前まで悲しい顔をしているかと思えば、くるりとふにゃふにゃの笑顔になる。…と思えば、ほっぺたを可愛く膨らませて怒る。
このくるくるとした表情の変わり具合がなんとも可愛らしく、観ていて飽きません。

同期の娘役さんといえば星風まどかさんがいますが、彼女に比べると堂々とした空気はない印象です。
しかしながら「憑依型」と言える役者に思える彼女、これから実力もどんどんつけていけばきっとトップ娘役さんになれるんだろうな…という気持ちが芽生えてしまいます。個人的にも好きなので頑張ってほしいです。

聖乃あすかさん(藤井蘭丸役)

女形の歌舞伎役者という、ちょっと変わった役どころながらも持ち前のビジュアルで万人を納得させたパワーの持ち主。
…という冗談はさておき、出番としてはそう多くない彼女でしたが、要所要所でキーとなることもあり、印象は強く残りました。

どうしてもビジュアルに目がいきがちではありますが、演技も安定していますし、歌は多少(学年が若いこともあり)不安定と感じる部分はあるものの、大健闘していたと思います(上から目線で申し訳ありません)。

蘭丸くんはそのビジュアルから「男の子?女の子?」となりやすいところですが、きちんと「男の子」していたのが個人的には好印象でした(あくまで女形であり、男の子であるから当然ではあるのですが…)。何より可愛い。好き!

鳳月杏さん(青江冬星役)

もう特別語ることはないかな、っていう方。
というのは、演技もビジュアルも歌も所作もクオリティが高いですし、個人的に好みなのでもう、よし!となってしまうからです。

例えば「あ~ここはいいけどここがな~」という部分があれば文章量も伸びるっつーやつなんですが、「ここもいいしここもいいわ」「でもこれいつもだわ」ってなってしまうと、特別書くことがなくなってしまうというアレ。

でも、彼女だから安心して観ていられます。「絶対に大丈夫」と安心して観られるというのは、それはひとつの大きな魅力だと思いますので、今後もその魅力をぜひ遺憾なく発揮していただき、「素敵だわ~」と思わせていただけたら嬉しいです。

しかし、動きなり喋り方なり、本当に所作がロイヤルなんですよね。お貴族様なのかしら?

水美舞斗さん(鬼島森吾役)

マイティーも私の中では安定している役者さんです。
その運動神経の高さからか、それとも筋肉からかガッシリしたタイプの役をもらうことも多く、今回もそうでしたね。

左目がずっと閉じたままなので「大丈夫なのかしら…」と勝手に心配していました。

一幕ではシベリアに行ってからの少しだけ、二幕では紅緒さんを助け、忍に叱咤しつつもその身を案じるいい人ぶりが発揮されていました。

歌うシーンも多く、しっかりと印象を残したという感じではないでしょうか。私はマイティーの歌好きなんで満足です(小学生)。

マイティーは実力もしっかりあるのに、どこか遠慮しているのかな?という部分も個人的に感じるので、次のバウ主演で真ん中に立って、ひとつ殻を破ってほしいなあと思います。そしたらもっともっと素敵度が上がるはず!

矢吹世奈さん(印念中佐役)

はいからさんは作品そのものも強く興味があったので観たかったのですが、その中でも彼女はとってもとっても観たかったんです。

単純に好きだから、というのもあるのですが、公演が始まってからの評価の高さもあって、です。

正直彼女を深く追ってきたわけではありませんが、あんなに可愛らしい容姿をしているのに(男役に可愛らしいのはどうか、と是非はあると思いますが)どちらかと言えば老け役をしている印象があり(新人公演のせいかなあ…?)、もうちょっとお役なんとかなりませんかね?という気持ちがありました。

MY HEROではジュニアを演じていて、その弾けっぷりもとっても面白く可愛かったですし、続いて印念中佐の役ということで、「これは流れ来てる!?」と思っていました。

実際今回スカステで観て、とても良かったと思います。
発声もとてもキレイですし、見てて腹立つ。悪役ポジとしてすごく立っていました。

当然ながら動きのキレもよく、立ち姿もシュッとしていて「ああ、確かに中佐なんだなあ」という貫禄さえ感じました。

もっとこれから伸びるだろうな、楽しみだな…と思っていたら退団されてしまいましたが、これからも別の道で頑張っていただきたいです。

城妃美伶さん(北小路環役)

まだ新人公演の学年なんですよね?マジで?といいたくなるくらい。
彼女はもう完成形のようにさえ見えるのに、さらに上があるのか…恐ろしい…と思いながら観ていました。彼女も本当に安定感がありますね。

役としては、「この人聖人やん?」という感想が。
好きな人(忍)の許嫁になった紅緒さんをいじめることなく(単純な発想)友人として付き合い(まあこれは紅緒さんが忍のことをなんとも思っていないから、という前提もあるかなあ)、忍のお葬式でも他の貴族を諌めたり。

二幕ではバリバリのキャリアウーマン(古い)にいなって、紅緒さんに全面的に協力してあげて、「友達なんだから当然じゃない!」とか、ほんま聖人なのかな…?

冬星さんをイケメンじゃない!と言っていましたがワイルドな軍曹の方へ行くあたりも聖人な感じがしますね(あくまでも個人の感想です)。

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その他の方々

出演者は30人なんだから、30人分書けばいいじゃんって思いますよね。私も思います。しかしそれだといつ終わるかわからないので…心苦しいですが、グループごとといった感じでざっくりと…!

ご家族の方々

なんだこのくくり…って感じですが、ご家族の方々です!押し切る!
おちゃめな役もお手の物の英真なおきさん、あの独特の高い声を使われるとつい笑ってしまう…大好きな芽吹幸奈さん、はいからさんで一番最初に泣けるシーンを作ってくれた冴月瑠那さん、優しいばあやが似合う新菜かほさん。こういう脇の方々が上手いからこそ舞台がしまるので…ありがとうございます!

女学生の皆さん

どんどんくくりが雑に。でも通じるはず!若手の娘役さんたち、どの子もみんな可愛らしいだけでなくそれぞれに個性もあって、よきかなよきかな。
名前がわからなくても「あ、あの子だ」とわかるのはありがたいです。
一番若くて研2の子が!雪組で見た!!!
ポーの一族、新人公演でかなりの評判を博した若草萌香ちゃんもいらっしゃいますよ~!彼女はつい視界に入ってしまいます。

ここに入れていいのかは少々疑問ですが、春妃うららちゃんはまさかの冬星さんのお母さん役!でも美しくてとても素敵でした。

冗談社のみんな

女学生の皆さんのように、数々の役を演じてきた男役陣。ベテランと言える和海しょうちゃんをはじめ、可愛らしい若手男役さんたちが頑張っていましたね~。
冬星さんにつかみかかろうとする紅緒さんを抑える桜舞しおんちゃんが可愛かった。
失礼ながら涼葉まれさんは今回でしっかりお顔を覚えたんですが、クールで格好いい男役さんですね…!
太凰旬くんも可愛らしい。前に阪急交通社の公演で幕間のくじ引き?をされていて、そこから応援しています(単純)。

すみれ組のみんな

こんなに愉快な3人組は久々に観たぞ!楽しいなあ~。3人のタイプが違うのでそれぞれ楽しめてお得ですね(?)。
峰果とわさんは背も高く(でも調べたら171cmなんですね…もっと高く見えるなあ)、はつらつとした発声が気持ちいいです。お上手ですよね。98期もいい人材揃ってるよなあ…。

和礼彩くんと翼杏寿くんもタイプの違うイケメンでとても良いです。出番自体はそう多くないすみれ組の皆さんでしたが、吉次さんを励ますため…とか可愛いところもあって、ほっこりしました。

牛五郎&如月&吉次さん

最後はやっぱり、この3人で締めたいところ。
天真みちるさんの牛五郎は愛嬌があり、なにげにずっと紅緒さんについていて信念がある男!という感じですね。蘭丸を励ましていたりと性根も優しい。

本当に上手い、上手いんですよこういう人が舞台には必要なんだよなあって思わせてくれる素敵な人です。大好きです。

同期の鞠花ゆめさん。彼女も上手いんですよ本当に上手い(2回目)。
スカイレポーターズをされていることもあってついコンビで見てしまうんですが(今回の舞台ではそう関わりはないんですけれど)、彼女も花組の舞台になくてはならない人だなあと感じます。舞台が締まる。

そして吉次さん役の桜咲彩花さん。べーちゃんはほんわりしていて清楚な美人の役もハマりますが、こういう粋な感じや、強い女性も似合うんですよね…。
出番こそ少なめでしたが、しっかりと印象を残しているのはやっぱり流石としか言いようがありません。
一幕の最後の方、お葬式(お通夜?)のシーンでの紅緒ちゃんの吉次さんに対するセリフにはほろりと来ました。

…と、駆け足どころじゃない感じになってしまいましたが、これ以上時間をかけるとその衝動とか感じたものが薄れてしまうので、雑ではありますがまとめました!

結論としては面白い舞台でした。もし再演することがあれば、どのように深みが出るのか楽しみです。

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