【花組】あかねさす紫の花/Santé!! (5月16日 15:30公演) 感想2:キャスト別感想その1(ネタバレあり)【役替りBパターン】

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結構な間があいてしまいましたが、5/16公演を観劇した際の感想を綴っていきたいと思います。

続いてはキャスト別感想となります。やはり中心となるのは役替りとなる3名+額田女王を演じた仙名彩世さんについてが多くなるかと思いますが、他にもキラリと光る方が沢山いらっしゃいましたので、そちらについても言及できればと思っています。

内容はどうしても細かくなる部分があり、ネタバレは避けられませんので、「まだ見たくない!」という方は閲覧をお控え下さい。

 

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 明日海りおさん(中大兄皇子役)

正直観た後「これはやばいものを観てしまった」という感想しか残りませんでした。
私はTwitter(@maro_cyanin)もしており、そこでリアルタイムにくだらない感想をつぶやくことも多いのですが、当時観劇後に呟いたのがこんな内容であるほど混乱していました(笑)。

ここ最近はタケヒコやクリスのような真っ直ぐさを素直に出した好青年や、驚異の再現率で話題になった、繊細なエドガーといったお芝居をよく目にしていました。

が、ここまで色気と自信という2つのパワーだけで押し出してくるとは…恐るべし明日海りお。

彼女が大海人皇子の時に見せてきた愛らしい笑顔はバッサリ封印。冷徹にまで見えるほどの鋭い目つきが印象的です。そもそも殆ど笑わないんですよ…。

だけど抗えない魅力があるんですよね。その色気、そして自信からくるオーラ。
そりゃ額田もひかれちゃうよねぇ~!!てなもんです。

大海人に対しても厳格な兄といった感じで、特別優しい笑顔を見せることはありません。ラスト付近、大海人に指示(?)を出すシーンでもそれは変わらず。

ちなつちゃん(鳳月杏さん)の中大兄は、「頼む…」という時に情をチラリと見せるような感じだったのですが、りおちゃん中大兄は「頼む(わかってんだろうな?)」くらいの圧があります。なにこれ怖い。

感情をさらりと見せたのは有馬温泉での額田に対してと、最後の最後、大海人の高笑いの後くらいではないでしょうか。そのくらいあとは徹底して「冷徹な指導者」といった印象でした。

特に有馬温泉で天比古出てきた時の顔めっちゃ怖いよ。最初とか「なんだこのゴミムシ」みたいな顔してるし。額田が止めた時に初めて「えっ?」みたいな顔して、その後は「ふーんそう」って興味なくしてる感じも怖い(そこだけ見すぎ)。

ひたすらに自身は信じるその先へ進み、そこに額田も大海人も巻き込んでいくような力強いうねりを感じるお芝居でした。
こういうりおちゃんはなかなか見られないのでは…と…。
経験と実力が伴った素晴らしい中大兄でした。華奢なのに圧の強さが本当にすごかった。

特に天皇になってからがすごい。
大海人を心配する額田をオーラだけでこっち向かせるし、大海人が「遅刻したから舞うね」って言ったときに「舞え」って、大海人の方を一切見ずに!階段登りながら行っちゃう!怖い!圧怖い!ってなりました。絶対ちなつ中大兄の方が優しいよこれ

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仙名彩世さん(額田女王役)

どうでもいい話なんですが、私の中では額田王です(本当にどうでもいい)。

彼女はAパターンとBパターンで同じ役をやっているので語りづらいか…とも思っているのですが(しかも私の場合Aパターンを後回しにしているため余計)…。

とりあえず、どちらのパターンも共通して言えることは本当に「美しい」。オープニングのせり上がりからため息が出るほどです。
お化粧もとてもキレイで、ずっと本人がやりたいと願っていた念願の作品なだけあり、とても力が入っている感じが伝わってきます。

正直、子供時代はどうなのかな?と思っている部分もありました。
ゆきちゃんは面長タイプなので、どうしても大人っぽい女性の印象になりがちだからです。

しかしその心配は全くの杞憂で、本当に可愛らしい子供額田。舟坂に追いかけ回されて「んもう~!」と怒るところや「はっはぁ~ん」とちょっとおませな考えをする時や、「天比古、またね」と残念そうに言うところ…どこも可愛い!最高!!最高や!!

…ということで、本当に可愛かったです…たまらん!!

大人になってからの額田も変わらず美しいのですが、中大兄主演バージョンでは一気に畳み掛けるのではなく、2回に分けて(それでもそのスパンはめっちゃ短い)いくことでより説得力が出るような印象になったかな、と感じました(これは演出の違いによるものですが)。

弓を受け取る時にも言葉を発せず、より強く揺さぶりを受けているような印象を受けたのもあるかもしれません。

Aパターンに比べると明らかに中大兄に対して心惹かれている描写が増えているためか、Aパターンの「引き裂かれてしまう悲しみ、運命に抗えない悲しみ」よりも、「心が揺れ動いてしまう自分への悲しみ」をより強く感じました。自責の念と言いますか。

有馬温泉で額田が言う「私の方にも罪があります」というセリフにより強い説得力が出ていたのも違いと言えるかな、と思います。

あとはもう私が「ゆきちゃんはりおちゃんが大好きだよね?」という完全なフィルターがかかっているのでそうとしか見えないのも多大に影響を与えています。

柚香光さん(大海人皇子役)

 これほどまでに弟が似合う2番手がいるだろうか?いやない。

そう言い切ってしまえるレベルの大海人。特に小さいころはとっても可愛い。
優秀な兄に素直にあこがれていて、とってもキラキラしている感じは今のれいちゃんとかぶりますね。

立ち位置の妙も手伝ってか、自然に兄を尊敬し、自然に近い年である額田と結婚し…というのにとても説得力があります。

りおちゃん大海人が溌剌とし瑞々しい感じ(ちょっとヤンチャ感もあり)の印象でしたが、れいちゃんの大海人は柔和で穏やかな感じ。大海人という人間の寛容さ、優しさが強く感じられます。こういった面は額田が十市を産んだ後、御殿に戻ってくるときの態度からも感じられますね。

そしてその優しさは兄のとんでもない要求を突きつけられても変わりません。
優しさゆえの苦悩、中大兄の政を信頼し、認めているからこそ「もしかしたらその決断は正しいのではないか?」と思ってしまう部分と「そんなわけないやん」という感情の部分がせめぎ合うという、耐え忍ぶタイプの大海人像という印象でした。

 Bパターンは本当に演出も相まって中大兄の圧が強くて、大海人はボロボロになって可哀想になるくらいなんですけど…

だからこそ最後でどかんと爆発、というか、もっと押し出してもいいんじゃないかな~!!って思いました。最大の見せ場だと思っているので。
やっぱり「狂いましたー!」からの一節は欲しかったなあ…格好いいじゃんあれ…。
ただ、どんどんれいちゃんの大海人は変わってきてるみたいなことをTwitterで拝見したので、ライビュの時はもっとハジけた大海人が見られるかもしれない…と期待しています!

あと思ったのは、れいちゃん大海人はりおちゃん大海人より酒が強い。花道から出てくるときの姿勢がれいちゃんの方がよかったので…。実際はどうなんでしょうね。

3人分書いただけでめっちゃ長くなってしまった…。
次はちなつちゃんをはじめ、他の特に素敵だと思ったキャストさん達について書きたいです!

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