【雪組】凱旋門/Gato Bonito!! 観劇備忘録(2018.06.15) 凱旋門はシックでわかりやすいお話に感じた【ネタバレあり】

雪組
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まだ星組さんの感想も書き終えてない…のですが、6月15日(金曜日)に雪組さんの公演「凱旋門/Gato Bonito!!」を観劇してきましたので、その備忘録をば。

今回の記事はお芝居である「凱旋門」の感想を、勝手にネタバレありでゴリゴリと書いていきたいと思います。

画像はその日の成果物です。同期共演!(無理矢理過ぎる)

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お話全体のふんわりした感想

話はとてもわかりやすくて好き。

二人の関係にフォーカスした分、描写も濃くなっているため、ストーリーの厚さがしっかりあって、純粋にストーリーとしてとっても楽しめました。

ただ、ラヴィックとジョアンのラブストーリーが大きな軸で、他の亡命者たちや、ぺぺたちはあくまで「当時のフランスはこうだよ」というフレーバー的な印象。

Twitterで「ラヴィックとジョアンが木の幹とすれば他のエピソードや登場人物は枝葉」みたいなことを書いたんですが、ラヴィックとジョアンを取り巻く環境はどうなのかなど、周りの人間達を通じて彼ら二人をより濃く描くという印象がありました。

…となると、気になるのが雪組のトップスターであるだいもん(望海風斗さん)の出番や立ち位置、ということになりますが。

だいもん演じるボリスについては、初演では2番手さんが演じていた(はずの)立ち位置だったこともあり、きぃちゃんと絡むところはほぼなし。2シーンくらいだったかな…?

でもストーリーテラーとして、ポイントでは必ずボリスが出てくるし、マルクスやハイメと3人で歌うシーンだったり、ソロ歌唱のシーンも多くて、決してラヴィックとジョアンの軸に入り込むわけではないけれど、しっかりと出番も存在感もあって個人的には不満はない印象。

ボリスのリアリストな考え方も共感出来るし、それでもラヴィックを助けよう、協力しようっていう情があるところ(最初も「我々は情厚くあるべき」みたいなこと言ってたし)も素敵で、魅力的なキャラクターだなと思いました。

ただあくまで立ち回りは2番手的な位置なので、だいもんファンの方からすればちょっと残念だな、物足りないな…って気持ちになった方もいるかもしれませんね。

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衣装やセットが「いいなあ~」

この作品で個人的に好き!と力強く言いたいのは衣装やセット。特にセット。

どれもこれも色味は地味なんですよ。当時の陰鬱としたパリ…って雰囲気がよくわかるような、重い色ばかり。

だけど明かりがつくと温かみを感じたり、盆で立体的に表現していたり…と、シンプルなセットのはずなのに、迫力もあり魅力的で「素敵なセットだな~」とめちゃめちゃ感激しました。

あとお衣装。全体的にパリに亡命している人たちや、パリに住んでいる人たちはアースカラーしか着ません。茶色、カーキ、ちょっと明るめでもかなり落ち着いたイエローなどなど…。

亡命者の中で唯一といってもいいのはユリアくらいかな、ピンクとかちょっと明るめの。それでもかなり彩度低めです。

これはパリの状況や、亡命者であることの背景を衣装のカラーとして映し出しているのかな…と感じました。

(ただ、後半のジョアンは紫系でまた違いますが…あれはまた別の心情を表しているんだろうなと)

ストーリー中盤で、ラヴィックはジョアンとともにアンティーブへ旅行?に行きますが、そのときはこれまでのパリとは打って変わって、白が基調のなんとも爽やかで華やかなセットと、同じく白が基調のお衣装を身に着けた方々が優雅に踊ります

(ダンサーのメインとなる綾凰華ちゃんと星南のぞみちゃんはブロンズ系のカラーでしたが)ラヴィックとジョアンも白の爽やかなお衣装に。

これはこの地域の自由さ、陰鬱とした雰囲気から解き放たれたジョアンにとっては楽園のような場所…という雰囲気を伝えるのに十分な説得力があるように感じられて「うまいな~すごいな~」と思いました。

ここでしっかりと登場する咲ちゃん(彩風咲奈さん)演じるアンリも白系の爽やかなお衣装なんですよね。

キャストやキャラクターについて

キャストの方々やキャラクターについて、気になった部分とかをざくざくっと書いていきます!

ラヴィック(轟悠さん)

ボリスいわくロマンチストで、困っている人をみたら放っておけない。ついついけが人の応急手当をしてしまい、国外追放されるお茶目な人。

しかし過去には恋人を殺された経験があり、なかなか重い背景が…。

私は原作の小説も読んでいませんし、医者の資格も持っており腕もいいということですから、大体30代半ば~40代はじめくらいをイメージしているんですが、そんな感じに見えます(雑)。

(妄想の年齢設定もあり)いつも冷静で理知的。という印象を与えるラヴィックですが、ジョアンとのことについてはだんだんと感情的になってしまうところも…そこがまた人間臭くて素敵だなと思います。

ラストは愛する人に痛みを与えないようにと安楽死させるわけですが…医者だからこその手段というか…切ないですね…。

轟さんについては特別書くことが…いい悪いとか好き嫌いとかそうではなく、やはり出来上がってらっしゃるので、「だよね!」って感じになっちゃうんですよね。神七みたいなんだったらまた別なんですけど。

やはりスーツの着こなしは美しくかつナチュラル。かなり細身ですがそれを感じさせないといいますか、しっかりと「男性感」があるのは本当にスゴイと思います。

所作も当然美しいですし、さり気なくズボンのポケットに手を入れるというアクションでも「ほぉ~」となる感じです。ダンディでした…!

ジョアン(真彩希帆さん)

一緒にイタリアからパリに出て来た男性に死なれ、セーヌ川に身を投げる直前にラヴィックと出会ったことで、結果から見ればよかったのか悪かったのか…な複雑な運命を辿った美しい魅力に溢れる女性、といったところでしょうか。

きぃちゃんはとてもクラシカルな雰囲気を持っている(ように感じます)ので、ジョアンも嫌味なく似合っていて、とっても可愛らしかったです。

ともすれば現代女性の中には「この女あかんやろ!」と言われそうな感じ(演出の謝先生も仰っていましたが)ですが、まあ現実的というかうまいことやろうと思ったらこうなるよね、という行動を取るので、個人的には「まあそうなるわな」と共感出来るかな。

やっぱり知らない土地で一人というのは心細いですし、まあ多少ジョアンは依存ぽいところがあるような印象ではありましたが、心が疲れているときにラヴィックに出会って、色々お世話してもらって、あんなイケメンだったらまあ好きにならないはずはないよね、と。

で、その男性が連絡もなく3ヶ月どっかいったら「もうこれ自然消滅かな?」つって、自分のことを好いていて、かつお金もっち~な、別タイプのイケメンがいたらそこを頼りたくなるのはまあ、自然なことかなあと思うんですよね。

自分がジョアンでも似たような行動を取るかな~って思いますし。

ケーフで再会した際、「あなたが悪いのよ!」とラヴィックを責めた時は「おいおい言うねえ」と正直思いましたが、ジョアンは多分女優志望で出てきたってなると20歳そこそこだし、そうなると年の差は10歳以上になるから(完全な年齢の妄想です)、まあそう言っても仕方ないのかな…ここは正直あんまり共感出来ない部分ですが(笑)

最終的にはヤン&デレになったアンリに撃たれてしまい、そのまま亡くなってしまうのですが…
これを因果応報と言うのはちょっと違う気もしますね…。

ジョアンは自分でも「私は自分が浅はかであることを理解しているわ」と言っていましたが、確かにパリに夢を持って出てきたわけですから、アンティーブで華やかな、自分の求めていた光景を見たときに「こうなりたい」と思って、ラヴィックが国外追放された後アンリに近づく(言い方あれだけど…)わけですが、その行動自体は特別浅はかって感じでもありませんし。

まさかのアンリが癇癪持ちのヤン&デレだったという事実を知っておけば、こうはならなかったのかもなあ…。

しかし、こんだけジョアンについて色々長々と書くということは、私もジョアンの魅力に抗えない人間の一人なのだと思います(笑)きぃちゃんの少女らしさが残る感じも可愛らしかった!

余談ではありますが、ジョアンのことを数度間違って「シャロン」と一緒に観劇したおかんに言っていました。

琥珀色は観劇していないんですが、なんかシャロンとかぶってしまって…(キャラ的には全然違うんでしょうけど)髪型かな…

ボリス(望海風斗さん)

先程もちょっと触れたので特別多く書くことはないんですが…。

ロシア革命でつまはじきにされた(語弊がある)ってことはロマノフの人なのかな~なんて勝手に思っていました。名字にロマノフなんて入ってないけど。

ボリスは本当にスッキリしているというか、個人的に一番好きなキャラクターです。

リアリストだけど情もあり、自分はこうするべきという明確な意識がある…という、好きというより憧れるキャラクターという印象でした。

ボリスのストーリーテリングのおかげで、お話がとってもわかりやすくなっていましたし、だいもんの歌声及び声はとても聞きやすくて「ええなぁ~」です。

めっちゃ短い…けど嫌いとかじゃないんです…!

その他一言ずつくらいでざっくりと!

咲ちゃん&翔ちゃん

ヤン&デレで、「俺は金持ちだぜ!」と言っておきながら最後にジョアンを撃ってあばばばばとなってしまうアンリくんを演じる咲ちゃん、嫌味ないセレブ感がいいですね!

ラヴィックが素直にジョアンに愛を伝えられない反面、アンリはお金もあり、自由もあり、そして素直にジョアンに気持ちを伝えることが出来る…という、ラヴィックの持っていない(出来ない)面を象徴するキャラだったのかなと。

翔ちゃんはラヴィックの腕を信頼し、人間的にも信頼しているんだろうなというのが態度や言葉の端々から感じられて、戦友的な気持ちもあるのかな~とか勝手に思っています(関係性としては裏仕事を渡す人と渡される人、ってだけではあるけれど)。

ジョアンが撃たれた時もすぐかけつけてくれてたし、ええ人感があるんですよね…。

亡命者の方々

それぞれに事情があり、家族や恋人とともに亡命してきた方々。

個人的には久城あすちゃんと早花まこさんところのご家族が俺得潤花ちゃんの子役も可愛いですね~!

シングルなのはひとこちゃん(永久輝せあさん)と縣千くんくらい?でも縣くんは、ねえ…ひらめちゃん(朝月希和ちゃん)とデキてたし…。

縣くん、今までも目立っていましたがこの公演でびっくりするくらいキラキラしててびっくりしました(びっくりしすぎ)。

なんだこの子やばいな…!感がハンパない。つい目が行ってしまう、今後が恐ろしい…。

あーさ(朝美絢さん)と彩みちるちゃんのカップルは、亡命者の中での希望となる存在なのかな、なんてちょっと思いました。

特にみちるちゃんは亡命者の中でも明るい色味のお洋服を着ていることが多く、ピンク系のもの(それでも彩度は低いけれど)。

最終的に身分証明証を譲ってもらえますし、ホテルにいた亡命者の中で、収容所に行くことなく済んだのはこの二人(とボリス)だけですからね…。

そのほか

マダム(フランソワーズ)役の美穂圭子さん、今回も素敵でございました…。

ショーにも出演されるのかな?と思っていたのですが出演なしでちょっと残念…お歌大好きなので、もっと歌ってほしかったです!

ギャルソン役の陽向春輝くん、可愛らしいしお歌やダンスで見せ場もあって、出て来るたびに癒やしを感じていました。

他にも非常にセクシーなダンスで素敵だった沙月愛奈さん…などなど、メインキャストの方々以外にも色々と注目出来るポイントが沢山ある公演でした!

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