今日がついに星組さんの千秋楽…ライブビューイングで拝見する予定ですが、今から泣いてしまいそうな気がしてたまりません。怖い…。
ブログは予約投稿です。
そんな千秋楽を翌日に控えた中、昨日は梅田に足を伸ばして「チェ・ゲバラ」を拝見してきました。
原田諒先生×轟悠さんはハズレなし!と勝手に思っていますので(「For the People」が好きなんです)、今回も期待して行ったのですが……もちろん、期待通りの面白さでした!
ラストなど結構核の部分に触れている感想なので、ネタバレがイヤという方はご注意ください。
高潔な理想を追う男の半生を描いた作品
この作品は、一言で言うと「高潔な理想を追う男(エルネスト/チェ・ゲバラ)の半生を描いた作品」です。そのまんまやんけ!という感じですが……。
物語は現在のキューバ(ハバナ)から始まり、フィデル・カストロのクーデターが失敗した日からスタート…かな。
そこでエルネストとフィデルの運命的な出会いがあり、キューバ革命に身を投じ「キューバの夜明け」があるまでが1幕。
その後キューバの立ち位置をどう据えるか、というところからエルネストとフィデルたちとのすれ違いや、妻アレイダとのささやかな幸せ、そして次の戦いに身を投じて命を無くすまでの2幕。
私は不勉強なので彼がどのように生きたのか全く知らなかったのですが、観劇後ちょっと調べてみたらミュージカルにする上で必要な部分が改変されている部分もありつつ、おおまかになぞられていたので、歴史の勉強にもなりました。ありがたい……!
一人を追う作りではなく意外にも「群像劇」な印象
先程、一言で表すなら「高潔な理想を追う男の半生を描いた作品」と書きましたが、この作品はチェ・ゲバラだけを追ったものではありません。
革命に身を投じる(Wikiによると出会う前からすでに革命運動はしていたようですが)大きなキッカケを作ったフィデル・カストロも理想と現実の乖離による苦悩が描かれていますし、妻アレイダも登場シーンは少ないものの、その芯の強さや聡明さを表す部分がしっかりと描けています。
また、それだけでなく革命軍のメンバーも一部ではあるもののしっかりと掘り下げられていたり、当時のキューバ大統領バティスタに仕えながらも現状に疑問を持っている、政府高官…なのかな…?のルイスの心情も丁寧に描かれていたり…と、群像劇のように様々な視点から革命を描いています。
またそれが物語に深みを与えているといいますか、物事の多くは光があれば影もある、それを「ええ話やで~」と光の部分だけ当てるようなことはせず、しっかりとそれに伴う影の部分も描いているので、非常にリアリティがあります。
下手に救いがないからこそ、しっかりと沁みる
「チェ・ゲバラ」という題材はかなり近代的なもので、その歴史もある程度しっかりと残されています。
なので想像する余地自体はそう多くないのかもしれませんが、それでもしっかりと「(夢のある)宝塚の舞台作品」として観られることが出来たのは月組さんだからかな、と思います。
みんな本当に上手かったです……!!
また、こういった舞台や映画といった形になると「if」という形で結末を変えることもままあります。
今回の作品では設定などの多少の改変はあれど、フィデル・カストロと出会ってからのエルネストの生き方は史実に沿ったものであると推測できます。
ともすれば「ただの歴史の追体験」ではあるものの、しっかりとした演出と、それを演じつ轟さんを始めとした月組生の演技、そして下手に救いがあるわけではなく、チェ・ゲバラの最期を描ききったからこそラストの演出が沁みるのであり、心にしっかりと残る作品になったのだろうなと感じました。
まだちょっと自分の中で咀嚼しきれてなくて…改めてまた書きたいですね。
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