【月組】「今夜、ロマンス劇場で」感想|期待通りの素晴らしい出来!新春にピッタリのファンタジックロマンス(ネタバレあり)

月組
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ショーの感想に続いては、お芝居の感想!

小柳先生で「今夜、ロマンス劇場で」。これは外すことはないだろうと大きな期待を持って臨みました。今回は原作映画も観て、予習もバッチリ!

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初見で感じた部分をさくさくっとまとめると、こんな感じです。

よかったところ
  • 原作をうまくまとめたストーリー展開
  • 映画世界のキャラクターの豊かさ
  • 映像を効果的に使った演出
  • 各人の演技!
  • ラストの演出のプラスアルファ
残念だったところ
  • 美雪の衣装がもうちょっと多かったら!

より細かく、各項目について語っていきます~!

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原作通りかつ、味付けが絶妙!

原作がある作品の場合、ストーリー展開がわかっている以上演出や追加要素について注目しがちではあります。

今作の場合、ありちゃん(暁千星さん)演じる「大蛇丸」はオリジナルキャラクターですし、映画「お転婆姫と三獣士」の世界をより膨らませていると、小柳先生も公式ページで語っておられました

どういう感じで絡んでくるのか?とワクワクしながら観ましたが、きちんとお話は原作通りながら、味付けの濃さが絶妙!

小柳先生の手腕に唸らされます。

原作をうまくまとめたストーリー展開

映画の長さは「1時間48分」と、宝塚の上演時間「1時間35分」より少し長め。

さらに、大蛇丸などの映画世界のキャラクターを描くにあたって、どの部分をカットして、どの部分を残すのだろう?というのは気になるところでした。

作中では年を取った(現在の)健司(月城かなとさん)はあまり描かれず、看護師たちの会話がメイン。

また、ナレーションをうまく使うことでぎゅっと要素を凝縮しているシーンもあり、なるほどそうきたか!という印象。

京映の社長令嬢、塔子(彩みちるさん)との三角関係エピソードは控えめになっていて、思わず健司が塔子の手に触れてしまい「これが当たり前なんだ」と感じるシーンがカットされていたのは、個人的にはちょっと寂しいかな。

それでも話の大筋はしっかりと拾われていますし、映画を観たことがない方でも入りやすいようになっているなと思います。

大蛇丸が映画の世界の人たちのルールを代わりに健司に話すことで、美雪とのやりとりがショートカットされてスッキリした印象になっているのも、個人的にはいいなと思いました(ロマンス劇場で向かい合って、その秘密を告白する原作映画のシーンもいいんですけどね~!)。

映画世界のキャラクターの豊かさ

原作映画では、健司が大好きなモノクロ映画「お転婆姫と三獣士」の世界はほぼ語られません。

美雪(海乃美月さん)が外に出てくる前と、ラストくらい(ラストは別の映画になっちゃうかな?)。

そこを膨らませて個性豊かなキャラクターに作り上げたのはすごいなと思います。

もちろん、宝塚的事情で配役を振らなければならない。そうなると役が足りない…‥というところはあると思うのですが、そこに無理やり感がないのがいいですね。

原作の「お転婆姫と三獣士」では、姫と三獣士がちょろっと喋っているだけで終わりで、どのような世界、物語なのかは作中で全く語られていません。

そこを逆手にとったスタイルが、カチっとハマってます!

ありちゃん演じる「大蛇丸」はビジュアルだけ見ると結構怖いというか、直情的な悪いキャラ?という印象を持っていたのですが、それをひっくり返される愛らしさがあって、とても魅力的でした。

美雪が好きという役割を持っている彼ですが、泣く泣く諦めて最後は二人を祝福してあげる……という、憎めないいい子なのです。

三獣士もしっかりと脇を固めていてよき!なのですが、柊木絢斗くんだけ歌わないのはなぜ……?と思っていたら鳥だから喋れないっていう設定がついていて、面白いんやけどかわいそうにもなり(笑)。

月の精霊、ディアナ様を演じたはーちゃん(晴音アキさん)も、出番自体は多くないのですがしっかりと締めていて。お衣装もキレイで、美しかったです!

さすがの芝居の月組と言える演技

それぞれの演技も良かったです!

当然、トップコンビの二人は息もぴったり。

れいこちゃんのちょっと情けない健司が愛らしく、それでも頑張って美雪に思いを伝えるところの芯の強さはとても格好良くて、まさに等身大の青年として存在していました。

強気な美雪はくらげちゃんの新境地と言えるかも。口も手もでちゃうお姫様ですが、品の良さを損なわずにいるのは流石。

そして、外せないのはちなつちゃん(鳳月杏さん)演じる俊藤さん!

出てきている時間自体はそう長くないものの、一回一回のインパクトが強すぎて(笑)。

何気にいい事いったり、トラブルがあっても結局許したりといい人なんですよね。

ちなちゃんは、かなり原作の北村一輝さんに寄せている感があって、非常にいい感じでした(笑)。

ラストのカラーになる演出の驚きがよかった!

ラスト、健司が亡くなってから……。

若いころの彼が捧げたバラを、美雪が受け取ると画面がカラーになるのは原作通り。

演出としてもカラーになって、出演者が踊って終わりなんやろうなと予想は出来ていたのですが、映画の世界のみんながカラーになったことで、お衣装に鮮やかな色がついてビックリ!

そりゃモノクロの世界になっているだけで、元々色がついていたのだから当たり前なんですけども、そこで新鮮な驚きを最後にくれたなぁ、やられた!と。

三獣士はもちろん、大蛇丸も実はちょっと赤系が入っていたのね~とか。

映画の皆は色に対してすごくはしゃいでいて、可愛かったなー。

原作映画は悪い人が誰もいない、おとぎ話のような素敵な物語。

追加キャラクターにも誰も悪い人はいなくて、本当に最後までハッピーなお話!と言い切れるアレンジが最高です。

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残念……というよりは要望です

そして残念だと思った点、これは本当にもう1点だけ!

美雪の衣装をもっと増やしてほしかったな~!

原作映画では、綾瀬はるかちゃんが「どこで買ってきたの!?(もしくはもらった?盗った!?)」と言いたくなるくらいコロコロと衣装が変わります。

しかもそれが、どれもこれも可愛い!ヤバい!

衣装の可愛さ・豊富さもあの映画の魅力のひとつだと思うので、できれば美雪のお洋服はもうちょっと種類が増えてたら……!と思いました。

これは予算や着替え時間の問題で泣く泣く削られたのかな?とも思いますが(贔屓目)、あと2種類くらいあれば、完璧であった……。

心を温めて、ホロリとしたい方へ。ガチでオススメです。

いやー、本当にきっちりまとまってて、お話も笑えて泣けてと「いいもの観たなあ」と思える一作でした。

原作映画のいいところをたっぷり取り入れつつ、加えたスパイスの効き具合も絶妙と、大絶賛しちゃうくらいです。

ある意味宝塚宝塚していないので(ミュージカルなのでどうしても歌はありますけど)、「宝塚を観てみたいけどミュージカルに慣れてなくて……」という方でも楽しめるんじゃないかなと思いました。

次回以降、細かくおもしろポイントを探しにいけたらなと思っています。

 

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