昨日はスカステでエリザが放送されましたね~!
らんちゃん(蘭乃はなさん)サヨナラショー、実は観たことなかったので、東京千秋楽分の放送はめちゃくちゃありがたかったです。
さて、今日は今の花組公演「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」のキャスト別感想です。
普通は観てすぐ書くやろ!という話なのですが、今回は全部観た後に書きたかったので、本当に今更なのですがお芝居のキャスト別感想を。
明日海りおさん(薔薇の精エリュ役)
まずこのお芝居のタイトルが発表された時に「え?今更妖精…?(そもそも彼女はフェアリーから骨太な男役になりたいと思っていたのに)」と戸惑いました。
さらに、それが退団公演になると知って2度驚きました。
最後なのに妖精なんて…と。
しかし演出は私の中でりおちゃん(明日海りおさん)と非常に相性がいいと思っている植田景子先生で、かつ先生が語る「妖精といっても可愛らしいものではなく、ケルト的な人間と身近な存在(かなりニュアンスですが)」という内容で「それなら大丈夫かな」と思ったことを覚えています。
現実、舞台を観て、たしかにエリュは妖精ではあるのですが、私たちとそう変わらない、一人の少女を追い続ける非常に人間臭い存在でした。
シャーロットへの一途すぎるとも言えるその想いは、彼女と相対しているときのエリュの表情や声色によく表れていて、その姿はご本人曰く「自分だけコスチュームっぽい…」とのことですが、中身はまさに彼女の集大成とも言える芝居なのではないかな、と思っています。
エリュがなぜあそこまでシャーロットにこだわったのかを考えてみますと、彼女自身が愛らしく純粋な存在であることと共に、既に今の人間が忘れ去ってしまった「精霊」という存在を心から信じ、愛していたからではないかなと思います。
誰だって、自分の存在が忘れ去られてしまうのは悲しいもの。それは人間だって、精霊だって変わらないでしょう。
エリュからすれば「人間は自分たちのことを忘れているくせに、自分たちの力だけで何かを成し遂げられたと思っている(精霊が助けていることを知ろうとしない)」ため、人間に忘れられてしまったという寂しさと憤りがあり、結果として人間を下の存在として見ているのだろうと思います。
だからこそ最初はハーヴィーにきつく当たりますし、本当に植物を愛していないのでは?と責め立てるのですが、ハーヴィーが自然の力(存在)を愛しており、かつ自分の姿が見えなくとも精霊を信じてくれていた人間(ニック・フローレンス)の存在がエリュの心を溶かしていったのではないか…という解釈でお芝居はいつも見ていました。
りおちゃんの演技云々よりもエリュの解釈話になってしまいましたね…。
とはいえ、こういった解釈を思わず書きたくさせるようなお芝居は、やはり彼女の凄さなのだと思います(無理やりつなげた感)。
そして、退団公演で、研17という学年でも「精霊」という役をできることはやはり稀なことであり、明日海りおの集大成と言ってもいいんじゃないかなと。
華優希さん(シャーロット役)
自然を愛し、精霊を愛するピュアなお嬢様。
作中で一番辛い思いをする彼女ですが、それでもエリュとの素敵な思い出を胸に曲がることなく生きていくという強さを持った女性です。
華ちゃん(華優希さん)は普段は本当にほわほわしていますが、お芝居でシャーロットを演じるときは非常に芯が強い印象で、ギルバートと相対している時の声がとても好きなんです。
お披露目公演で女性の半生を演じ分けるのは大変だったかと思いますが、とても自然に演じ分けが出来ていたように思います。
シャーロットはその人生のほとんどが開示されている一番情報量が多いキャラクターで、だからこそ役作りがしっかりしていないと薄っぺらいものになってしまうかと。
でも華ちゃんは役をしっかり作っているのでエリュの気持ちにも大きな説得力が生まれるんだろうなと思います。シャーロットはエリュを形作る大きなパーツですもんね。そう思うとお披露目公演でなんて大変な役をふられたのだろう…と思ってしまいますね。
また、シャーロットのセリフの多くが、りおちゃんを愛していた人たちの想いと重なっていますから、彼女と自身を重ねている方も多かったのではないかな…と思います。
エリュとシャーロットの間の感情は、いわゆる恋愛という意味の愛とはまた違うけれど、とても温かくて素敵な愛だなと。
なんなんでしょうね、お互いがお互いを救っていたし救われていたような。
エリュとシャーロットのデュエットもどれも綺麗で大好きです。
正直横アリのときの華ちゃんの歌声で「大丈夫かな…」と思っていたのですが、いい意味で裏切ってくれました。まだ研6ですし、これからも成長していくでしょうし楽しみです。
華ちゃん、今の立ち位置に慣れて度胸がついたらもっと素敵になるだろうな。
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