というわけで、昨日は配信で宙組さん「壮麗帝」の千秋楽ライブ配信を観ました。
配信全体に言えることなのですが、他にやること、できることがある状態でも観られるので、映画館でのライブビューイングと違って画面から目が離れてしまうこともあるんですよね……。
今回は配信だけだったのでかなりじっくり観たつもりではありますが、それでもやっぱり生とは違うんやろうな～と改めて感じました。アップで観られるのはいいですけどね！
また、今回は非常に失礼な話なんですがプログラムが手元にない状態で拝見しましたので、ほぼメインの方しかお名前がわかりません……それでもいいよ！という方は目を通していただければ。
思ったよりもガッツリ歴史物。
今回の脚本・演出担当は樫畑亜依子先生。
あれ？先生って何かバウやってらしたかな……と思って調べたら「Arkadia」でした。
あーね！録画だけしてまだ観られてないやつでした。2017年かいなこれ……ざわつくわ。
私の中では「邪馬台国の風」の新人公演の演出の先生、という印象のほうが強かったのでどのような作品作りをするんだろう？という興味はありました。
拝見した感じ、思ったよりもガッツリ歴史物だな～という印象です。
華やかな面よりは天下人の裏面を描くようなやり方といいましょうか。個人的には原田諒先生の歴史物の描き方に似ているなと思いました。「For the People」とか「チェ・ゲバラ」とか。
オスマン帝国全体がどうこうと言うよりは皇帝であるスレイマンと、それを取り巻く人達の愛憎劇……といった感じ。個人的には好きなタイプのお話ではあります。
仕方ないとは言え、多少の駆け足感はあるかも？
また、人間の半生を2時間で描ききる（特に歴史の偉人の場合）は非常に難しいものではあります。
仕方ない部分とは言え、多少お話の駆け足感はあるかな？という印象もありました。
語り部を使い、ある程度時間をスキップするという演出も宝塚に限らずよくある手法ですが、今回それを担当されたのはまりんさん（悠真倫さん）。
聴きやすい声で、かつお話の進み具合によって年齢を重ねた様子がしっかりわかるようになっていて、さすがだなと思いました。
語り部の使い方のイメージは「蘭陵王」でしょうか。
ちなみにここまで他の作品を例に出していますが、それらの演出に酷似している、というわけではありません。あくまで自分が連想しただけで、内容や演出はまた別です。
基本はポスターの3人が中心
お話は主役である皇帝スレイマンと奴隷から義弟にまでなった大宰相イブラヒム、そして売られていたところを助けられ、後にスレイマンの寵姫となるアレクサンドラ（ヒュッレム）のトライアングルです。
三角関係というわけではなく、結構3人ともが主役レベルでしっかりとした軸があります。
特にイブラヒムは、奴隷だからこそ皇族にはわからない部分をわかっていたり、逆に皇族でないからこその決断をしてしまうような描かれ方をしていて、一番人間くさいキャラクターだなと思いました。
アレクサンドラはかなり毅然とした女性として描かれていて、正直こんな女性がハレムにいたらさっさと暗殺でもされていたのではなかろうか？と思うレベルで頭が回ります。
個人的にこのお話の中で一番のスーパーマンなのは彼女では…！？と思ってしまったくらい。
最後になってしまいましたが主役のスレイマンは柔軟でありながら自分の芯はぶれないという、善き王として描かれています。もちろんその裏には多くの苦悩があるのですが。
どの登場人物もピュア度が高く、よくも悪くも自分の理想を追求して破滅していくような感じだったので、「あ～歴史ものって感じやわ～（偏見）」って思いながら観ていました。
とはいえ、胸くそ悪い終わり方ではなく歴史上の英雄を語り継ぐ……といったかたちで終わるので、観劇後はスッキリというか「お話を観た！」という満足度は高いかなと思います。
歌がめっちゃ多くて驚き。
この作品で一番驚いたのは「歌の多さ」でした。
確かに歌える方々が揃っている印象ではありましたが、それにしたって歌が多い！個人的にはりんきらさん（凛城きらさん）まで歌うとは思わなくてびっくりしましたｗでもありがたかったです！
じゅっちゃん（天彩峰里さん）には逆にもうちょっと歌ってほしかったな……。ずんちゃん（桜木みなとさん）とららちゃん（遥羽ららさん）のデュエット曲が多いのはロマンスっぽくてとてもよきでした。
同時期に上演だった「FLYING SAPA」がほぼストレートプレイだったので、「めっちゃ歌多いな！！」って思いながら観てました。
最近の公演の中でも多い方じゃなかろうか、ってレベルな気もします。
……と、かなりざっくりな感想でした。
またキャスト別感想とかで細かいところを書ければいいなーと思っています。
しかしずんちゃん、ちょっとお顔が細くなりましたね……スレイマンに持って行かれたのかしら。
コメント