【星組】完成度の高さと、さすがの技術。「シラノ・ド・ベルジュラック」感想※ネタバレあり

星組
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昨日、星組さんの「シラノ・ド・ベルジュラック」を観劇してきました。

持っている知識はかんたんなあらすじと、「歌劇」での座談会の内容程度。

結構笑える場面もあるということで、コメディよりなのかしら?と思いつつ観劇したら……いやはや!さすがの技術と全体の完成度に、めちゃくちゃ楽しませてもらいました。

話の内容及び構成に関するネタバレがありますので、閲覧の際はご注意ください。

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あっと言う間の2時間半。もう一度観たい!

1幕が1時間15分、25分の休憩を挟んで2幕50分という構成。

しかし話にぐんぐん引き込まれ、正直あっという間の2時間半、という感じでした。

私が感じた「よかったな」と思ったところや「びっくり!」と思えたポイントについて、ここから語っていきます。

・やっぱり技術力がすごい!
・小物やセットも美しい!
・まさかの!?全編通して5場のみ
・予想外!フィナーレつき…さらに!!

やっぱり技術力がすごい!

今更改めて語ることでもありませんが、やっぱりイシさん(轟悠さん)はすごいな、と毎回思わされます。

最近の「チェ・ゲバラ」でもそうでしたが、男役としての所作の美しさ、「こんな男性が実在しているであろう」と思わせる存在感の大きさは、これまで積み上げてきたものであることがひしひしと伝わってきます。

また、今回は大きな付け鼻をされての登場なのですが……それでも非常に男前でした(笑)。

もちろん、追随する星組メンバーも負けてはいません。

今後またキャスト別感想で書きたいなと思っていますが、ヒロインを演じたほのかちゃん(小桜ほのかさん)は美しい美声をしっかりとソロで聴かせてくれました。

また、彼女は笑いが出るシーンを多く担っているのですが、お嬢様ゆえの天然ぽさで沸かせることもあれば、才女な部分を出したインテリな笑いどころを出したり……と、技術力が必要な部分もしっかりこなされていたように思います。

そして、2番手のせおっち(瀬央ゆりあさん)。立ち姿が非常に美しく、イケメンという名前に恥じません。

龍の宮物語」で見た、苦悩ゆえの繊細さ、美しさが今回も出ていて、陰のせおっちが好きな私としては嬉しいところでもありました。

個人的に2019年最高のお芝居だと思っている「龍の宮物語」の感想はこちら
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小物やセットも美しい!

お芝居でどうしても私が気になってしまうのが「セット」や「小物」です。

その世界に没入するには、やはりこの2つは不可欠。

こちらの作品ではそのどちらも美しく、世界を想像するのに十分すぎる役割を果たしてくれました。

セットはどちらかと言えばシンプルなのですが、階段もあり高低差がしっかりあるものだったので、見応えがあります。

小物はお話の関係上、パンやお菓子が多かったのですが、それがどれもこれも美味しそうで……!

さらにお店の中で場面が進むので、パン窯もあるんです!あれは可愛かったな~。

まさかの!?全編通して5場のみ

公演が始まるまえにプログラムを購入し、着席してパラ見するのが私のセオリーなのですが、びっくりしたのが全編を通してたったの5場しかないこと。

1幕で3場、2幕で2場しかないんです。当然、プログラム内容は1Pでおしまいです(笑)。

そう、場面転換がなく、1場が長いんです!

特別長台詞が多い…というわけではないのですが(それでも多めであることは間違いないと思います)、同じ場所でお話がどんどん展開していく形になっていて、だけどそれが非常に自然な流れなので全く違和感なく楽しめます。

もちろん場が多ければ面白いお話になるというわけではありませんが、ここまで切り替えがない作品は私にとって初めてだったので、びっくりしました。

予想外!?フィナーレつき…!!さらに!!

そして、一番びっくりしたのがまさかの「フィナーレつき」だったこと(笑)!!

プログラムにもフィナーレがあるなんて書いてないじゃないですか~~!!先生~~!!!

ホロリとくるラストのあと、突然キメッキメのせおっちが出てきたので「は?」となり、少々放心状態になってしまいました。

フィナーレ自体は非常に王道なつくりで、娘役さんたちの群舞、男役さんたちの群舞と見ごたえがありましたよ!

そしてそして、最後の最後に白いドレスのほのかちゃんが登場。せおっちと踊るのかな?と思っていたら……。

まさかの!!まさかのイシさんが登場!!白い衣装で!!もちろん鼻はでかくて!!そしてほのかちゃんとデュエダン!!!ひえ~~~!!!!

私、生でイシさんのデュエダンを観られるなんて思っていなかったので、いい人生だったなって思いました(遺言)。

これはちょっと本編のネタバレになってしまうのですが、ラストにてほのかちゃん演じるロクサアヌが、本当は詩を送っていたのがシラノであることがわかり、やっと彼の想いが通じたものの、不幸にもシラノは陰謀によって亡くなってしまいます。

せっかく想いが通じ合ったのに死別してしまった……という哀しみを、このデュエダンで浄化してくれるわけです。ありがてえなあ!!

 

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個人的に気になったポイントについて

続いては、個人的に気になったポイントについて。

ちょっと引っかかったポイントや「!?」と思ったポイント、という感じですね。

・なかなか拍手しづらい…!
・せおっち、その服は…!?

拍手のタイミングがつかめない!

いやこれは、本当にですね、場面転換が少ないお芝居なだけあって、普段の「ここで拍手お願いしますね!」みたいなポイントがめちゃくちゃ少ないんですよ。

こっちとしては「拍手全然できてないですけど大丈夫ですか!?」って気持ちになりました。

まだ始まって2日目だったので、拍手のタイミングが全体的に把握できてないのかな、とも思ったのですが。

拍手をすることが素晴らしいとは言い切れないけれど、いいものをありがとう!!という気持ちを伝える手段のひとつだと思うので……。なので、最後はバチバチ拍手しました。

せおっち、その服は…!?

フィナーレはせおっちからスタートするんですが(1本物フィナーレによくあるせり上がり役とでも思っていただければ)、先程書いた通り、余韻の中突然フィナーレが始まったので「!?」となったんですよね。

さらに個人的にビックリしちゃったのが、その衣装なんですよ。

だって、りおちゃん(明日海りおさん)のトートの服だったので……。

「!?せおが!?りおちゃんの服を!?しかもトート!?!?!?!?」と、非常に頭が混乱いたしました。いやー、思いがけない爆弾でしたね!

その他にも「All for One」の銃士隊の衣装かな?と思われるものもあり、(ダルタニアンの故郷もガスコーニュだからかな)ふんわりと懐かしい気持ちになったりしました。

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高クオリティのお芝居にフィナーレつき。配信をぜひ!

高クオリティの、なんとも「純愛」といえるお芝居だけでなく、まさかのフィナーレつき!

フィナーレは本編の哀しみを振り払うようなパワフルな内容になっていて、メインがせおっちなので、彼女のファンは必見といえるかもしれません。

(なにげに振り付けもちょっとセクシーに感じるものもあったりと、違う顔が見られます)

なかなか大阪までは足を運べない方もいると思いますので、ぜひ配信を購入して観ていただければ…!というくらい、個人的にはおすすめでした。

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