昨日は梅田まで行き、星組さんの「ロックオペラ モーツァルト」を鑑賞してきました。
首席コンビのプレお披露目公演、さらに海外ミュージカル原作(原作っていうのかな?)ということもあり、かなり期待度が高かったので楽しみにしていました。
…が、最初に言ってしまいますと、私には演目自体が合わなかったです。
その上での感想になりますので、この作品がめっちゃ好き!気に入った!という方にとっては不快に感じられる内容が含まれている可能性がありますのでご注意ください。
モーツァルトの半生を歌とダンスで綴った作品
この作品は、「モーツァルトの半生を歌とダンスで綴った作品」です。あらすじまんまですけどね。
「ロックオペラ」と銘打ってあるだけあって歌も多いですしお披露目トップの二人がダンスがお上手ということもあり、ダンスシーンもしっかり盛り込まれている印象です。
1幕最初の方でモーツァルトが市民と踊りながら歌うシーンがあるのですが、そこでなんとなく「ロミオ&ジュリエット」を思い出すくらいにはフレンチロック感があります(雑)。
話の展開はシンプルながら、いまいちピンとこない…
話の展開は非常にシンプルで、モーツァルトと彼を取り巻く人間関係で展開していき、そこに彼の恋愛と挫折、そしてライバルであるサリエリとの確執(とはいえ一方的にサリエリがモーツァルトに嫉妬し憎んでいるだけであって、モーツァルトがサリエリに対してどうこうというシーンはほぼありません)が描かれています。
非常にわかりやすいお話なのですが、そのお話の内容がいまいちピンときません。
私はお芝居で好きなのが、登場人物の心情であったり動きによって自分の心がぐっと掴まれるなにかを得られることなのですが、今回この作品でそれを得られませんでした。
極端な話、演者が演じるお芝居が仮にクッソ下手であっても、なにか自分の手のひらに引っかかるものがあれば「面白かったな」と思うタイプなのですが、私にとってこの作品のシナリオは「キレイにまとまってはいるけれど、手の中に引っかかるものがなかった」という表現が適切です。
私は「ロミオ&ジュリエット」の演出も実はあまり好みではないので、それに近い分「うーん」と思ったのかもしれません。
同じフレンチロック系でも「アーサー王伝説」や「1789」はめっちゃ好きなんですけどね…なんでだろう。
トップコンビの頑張りは本当に眩しい!
しかし、トップコンビの頑張りは本当に眩しいものでした。
琴ちゃん(礼真琴さん)はもちろんダンスも歌も器用にこなされていますし、エネルギッシュですね。流石優等生!という感じです。
ひっとん(舞空瞳さん)は1幕ラストでの裸足のダンスが圧巻でしたし、歌も声量がアップしたように感じられ、努力をこつこつ続けていることが伺えました。
舞台度胸もしっかりあり、琴ちゃんをはじめ上級生さんたちとバチバチやり合う感じもいいですね。
本当に二人の頑張りは眩しくて、観ているこっちが気圧されるくらいでした。だけど、もうちょっと肩の力を抜いてもいいんじゃないかな…とも。
これはもっと作品を重ねたら自然に出てくると思いますが、若いエネルギーみたいなものは本当にビシバシ来ました。
娘役さんの歌唱シーンが多いのはめっちゃ嬉しい!
個人的にとても嬉しかったのは、娘役さんの歌唱シーンがとても多かったことです。
モーツァルトの初恋の相手をアロイジアを演じるほのかちゃん(小桜ほのかさん)をはじめ、モーツァルトの姉のナンネールを演じる桜庭舞ちゃんなど、歌の実力が高い娘役さんがバリバリ歌ってくれます。
もちろんベテランの白妙なつさんや夢妃杏瑠さんもソロがありますので、星娘の歌唱が好き!という方は必聴な一作だと言えそうです。
いつきちゃん(音咲いつきさん)のソロが確かなかった気がするので…それは残念かなあ…。
もちろん男役さんもソロ歌唱が多く、サリエリを演じるカチャちゃん(凪七瑠海さん)はもちろん、弟子?助手?のジュースマイヤを演じる極美慎くんもソロ歌唱がありました。
「エリザベート」ほど歌唱シーンが多いわけではありませんが、歌が挟まれるシーンは非常に多いイメージです(曲は短いけど回数が多い、みたいな)。
どこに重きを置くかで印象は変わるかも
この作品に限ったことではありませんが、宝塚の舞台を観る時にどこに重きを置くかで印象が変わるだろうな、と改めて感じました。
私はショーも好きですが「お芝居」が好きなので(宝塚にハマる前も舞台をぼちぼち観に行っていました)、仮に歌唱が少なかったり、ダンスが少なくてもお芝居の内容がよければ「(自分にとって)いい作品だったな」と思えます。
「ダンスと歌の実力がある人の華やかな舞台が見たい!!」ということであれば、今回の作品は非常に素晴らしく映ったんじゃないかな、と思いました。
劇中はコンテンポラリーのようなダンスもあり(私はダンスが全くわからないので印象でしがありませんが…)、実力者だからこそこういった振り付けなんだろうな、こういう形にしているんだろうなと思わされる部分もありましたので、「フレッシュな新生星組の実力を存分に見せつけられたいぜ!」という方には非常にオススメできるのではないかと。実際私も二人の実力は本当にすごいと思いました。うまかった!
だからこそ、話がなあ~…個人的にはもうちょっとなにか欲しかった気がします。何を加えればええねんと言われるとなんとも言えないのであれですけど。
あと、この作品の曲もドーヴ・アチアさんが書かれているのですが、私が拝見したアチアさんが楽曲を担当した作品の中では一番音楽の印象が薄かったです。それもあるのかな…。
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