【雪組】「壬生義士伝(宝塚)」キャスト別感想その1(望海・真彩・彩風・凪七)

雪組
この記事は約5分で読めます。

今日は、前回の記事にひきつづき雪組さんの感想記事を。

お芝居「壬生義士伝」のキャスト別感想にさくさくっと参りたいと思います。
ネタバレもしていませんので、未見の方で今後観劇を控えている方でも大丈夫…かと思われます!

お芝居とショーどちらもざっくりと書いた感想はこちらです(こちらもネタバレなしです)。

スポンサーリンク

望海風斗さん(吉村貫一郎役)

本人が真面目だからか、こういった真摯ながら朴訥とした人物が非常に似合いますね。

南部弁(でよろしいのかしら)の本物(ネイティブ)を聞いたことがないのですが「こういう感じの言葉なんだなあ」と想像できるくらいナチュラルで。

 

彼の人柄について詳しく描かれているわけではないものの、新選組に入隊してもみんなに慕われるような人柄だと端々から感じられるのは、彼女の芝居心の為せる技なのでしょう。

「ほんまええ人やなあ、幸せになってほしいなあ」と思わせてくれる素敵なキャラクター造形でした。

 

設定上殺陣のシーンも多い今作ですが、だいもんの動きはとても美しくて。

縣千くんと稽古をつけるシーンでは、かなりの速さの竹刀を上手に受け止めていて、さすが和物の雪組!と思わされました(縣くんもすごいんですけどね)。

 

また、咲ちゃんとの関係も非常に良かったと感じました。

「凱旋門」を除き、だいもんと咲ちゃんはワンツーでかなり濃い間柄を演じている印象がありますね。

タイプが違う二人だからこそ、性格の違いもわかりやすいですし。

 

スポンサーリンク

真彩希帆さん(しづ・みよ役)

出番がほとんどなく…。しづだけではなくみよを演じたのも納得できます。

とはいえ出番こそ少ないですが、どちらも家族(あるいは吉村)を慮ったゆえの行動を取るいじらしさは共通していて、それをまたきぃちゃんは素敵に演じていました。

南部弁と京都弁、どちらも操るのはなかなか大変だったと思いますがナチュラルにこなしておられて、さすがだなと。

 

特にしづのシーンはどちらかというと幸せではなく辛いシーンが多くて、ホロリとくるタイミングも…。

健気に遠く離れた夫を待つというのは心身ともに大変だっただろうな…。

彩風咲奈さん(大野次郎右衛門役)

美味しい役、だと思いました。

こちらも出番こそ決して多いわけではありませんが、お話の起承転結の「起」と「結」を担っている人物だと言えるでしょう。

だいもんとの関係性は、まるで「ひかりふる路」のロベスピエールとダントンのように諭すものでもあり。

しかし「ファントム」のエリックとキャリエールのように庇護するものでもあり。

これはこの2年ほどで二人が培ってきた関係性、信頼が花開いているものだと感じられました。
多分お披露目公演でこの作品をやってても、ここまではならなかったんじゃないかなと思います。

竹馬の友といえるからこその、吉村の清廉さを守るためのあの言葉は非常に美しく感じ、ホロリときました。

 

母親への態度(行動)、言葉では厳しいことを言っても友である吉村を気遣い、影からサポートする優しさ。(過去の)想い人であるしづへの、吉村がいない間守ってあげたいと思う心などなど…。

正直、作中で一番好きなキャラクターです。

凪七瑠海さん(松本良順役)

専科から出演のカチャちゃん。

メインキャストと絡むことはなく、ひたすらに物語を負うストーリーテラーの役。

時代を超えたストーリーテラーというと、宙組で早霧せいなさんが主演された「殉情」を思い出します。

 

原作では描写があるのかもしれませんが、作中では吉村と当時絡んだというお話は一切ありません。娘であるみつちゃんが持っていた写真に「一緒に写っている」という事実がセリフの中で語られるのみ。

その上でその時代を生き、そして生き残ったという人物を演じるのは大変だったと思います。

 

お話から浮かないようにしないといけませんし、さらに作中で芝居として語られない部分も想像できるように伝わるような話し口で演じないといけない、さらにそれをただ言うだけではなくてあたかも自分が体験してきた(その場にいないことも多かったでしょうが)ことであるかのように語らなければならない…と、ストーリーテラーという役割は難しいと言われることがよくわかる役だと思いました。

が、私はそれを見事にこなしているように見えまして、佇まいのロイヤルさも相まって(そこは関係あるのか)満足度高かったです。

本当にカチャちゃんはNYに行ってからすごく深みが出たな…と感じます…!

コメント