昨日は雪組さんを観劇。
東京まで遠征はしないため、泣いても笑っても生で退団する方々を観られるのは最後となりました。
前回の観劇から2週間以上、最初の観劇から約1ヶ月だったのもあり、改めて「素晴らしいなあ」と思う点と、「もうちょっとここがこうだったら……」と思う点があったので、お芝居「fff」ショー「シルクロード」両方について総括……は早いかもですが、思ったことを素直に書いていきます。
これまでの記事はこちら

fff-フォルティッシッシモ-
お芝居「fff」は、やはり言っていることは至極シンプルなのですが、描写が非常に難しいという印象を持ちます。
ベートーヴェンという稀代の人物を中心とし、同時代にいきたこれまた稀代の人物ナポレオンとゲーテを絡ませているため、壮大な物語……に感じますが、私はこれはベートーヴェンが自己受容するお話だと思っているので(ずっと言っているこの部分についてはまた書きます!)、私達にとっても非常に身近なテーマだと思っています。
いいなあと思うところ
「死んじまえ!」と自分に言葉をぶつけても、それでも世界は美しい、人間は美しいと立ち向かっていく姿に強く勇気をもらえます。
恋人との別れ、難聴といった人生に絶望を与えるピースをぶつけられ、謎の女に「死は救済」と甘く囁かれても、それでも「死なない」という選択をできる強さは、だいもん(望海風斗さん)自身の強さの現れのようでもあります。
自分がこれまで歩んできた中での絶望、よぎる死があったとしても、それでもそれが自分の人生であると運命を抱きしめた時、不幸と呼ばれる出来事もそれも自分だから愛すると選択した時。
謎の女=運命との和解は観るたびに自分もこうできる精神性でありたいと強く意識させられる、大好きなシーンです。
また、彼の情熱の炎を演じる笙乃茅桜さんも毎回注目しちゃいますね。
彼女がのびのびと踊っている時は、ベートーヴェンの情熱が滾っているとき。
逆に力を失ったときは、ベートーヴェンの情熱や命の炎が弱まってしまったとき……抽象的な存在ではありますが、ベートーヴェンというキャラクターを表す非常に重要な役どころだと思っています。
うーん……と思うところ
「うーん……」と思うところは観劇回数が増えるたびにちょっと変わってきていました。
最初は「ナポレオンの描写多すぎじゃね?(ベートーヴェンに関係あんの?的な)」でした。
ベートーヴェンからして英雄であったナポレオンが、皇帝という座につくことで君主制を廃したはずなのに……!!と、ベートーヴェンの失望を買い、敬愛する相手から侮蔑する相手になったというストーリーの背景として、ゲーテとの対話が必要であったのでしょう。
また、そこまで先が見えている、「耕された人間」であるゲーテとベートヴェンの対話のシーンも、それぞれ見ている方向は同じであってもアプローチが全く違うことへの演出だと思います。
そんなことを思ったので、ナポレオンの描写が多いのはまあそうか……と納得したのですが、ベートーヴェンがボンに戻った後、極寒のロシアでナポレオンに助けられるシーンが今はちょっと「う~ん」なところです。

精神世界での対話っていうのは素敵だと思うし、実際ありえると思っています
ここもナポレオンとの和解ということで重要な部分なのですが、私はどうもここでぼんやりしてしまうことが多くてですね……。
重要なのはわかるんですけど、もう少し簡潔にしてほしかったな~と思ってしまいます。
人は苦しむために生まれてきたという、なんとも一見悲しいナポレオンの言葉。そこからベートーヴェンは彼の真意を知ることとなり、目指していた先は自分とそう違わないのではないかと「心の友」と和解をする。
ナポレオンの最後の言葉、うろ覚えですが「不幸に抗うか、不幸から逃げるか、それとも……」。
私はこのそれとも…のあとは「不幸を愛するか」だと思っています。そこから運命(謎の女)との対話につながっているから大事、うん大事なんですよね。わかってるんだけど……。
ちょっと長くて……。ってなります。

ナポレオンばっかり出てますが、咲ちゃんが嫌というわけではないです!
ぶっちゃけこのシーンのナポレオンも、本当のナポレオンかはわからないわけですしね……
あとは前回も書いた気がするのですが、ラストがめっちゃサヨナラすぎて、サヨナラなのでいいんですけど、「ショーのサヨナラ部分始まったか?」となってしまう気持ちもあります……。
ショーにサヨナラ成分がたりねえ!と言い続けていますが、もしや、その分をお芝居ラストで補ったの!?

そう考えると、ショーがサヨナラ感少なめなことでバランスを取っていたのか……!?
シルクロード-盗賊と宝石-
ショー「シルクロード -盗賊と宝石-」は、最初っから何度も言ってますが完成度が高い!
見せ場も多いし場面転換もキレイで好きなショーのひとつです。むしろだいきほ時代のショーで一番好きかも。
いいなあ~と思うところ
場面構成がまず好きですね。
翔ちゃん(彩凪翔さん)メインのキャラバンの皆が通し役になっていて、ストーリーテラーをしているのも○です。翔ちゃん好きな私歓喜。
衣装も派手なものが多く(宝塚におけるアジア系って派手なイメージがあります)、さらに様々な国を渡るので場面ごとに結構違って飽きないですよね。
まあその中でもやっぱり大世界が最強なんですけど。
これも毎度言ってますがだいもんの真骨頂はここだと思っていて、今回は最後だし……ということでだいもんフォーカスで観てたんですけど(なお、きぃちゃんフォーカスはすでに終わりました)、バカなの?????ってくらい格好よかったです。
ちょうど席がほぼどセンだったので、何回か目が合ったし(幻覚)。
私にとって、だいもんの一番格好いいと感じる部分はどうやらマフィアだったんだな、と最後の最後でわかりました、ありがとうございました。

いやでもなーあれは反則級の格好良さなんだよな……ダンスも相まって…花男っぽい……最強……(限界オタク)
なお、だいもんの作品で一番好きなのは「Victorian Jazz」です。
あと好きなのは千夜一夜物語ですね。きぃちゃん(真彩希帆さん)のシェヘラザードがとってもキレイ……!!あゆみさん(沙月愛奈さん)の腹筋も見逃せません。
最後の翔ちゃんのソロ?も好きだわ……あの曲早く配信してほしいです。
うーん……と思うところ
これも前の記事と内容はかぶってしまうのですが、
サヨナラ度は薄めだなと思います。完成度は高いけど。
まあこれはお芝居のラストで「やめまーす!!」って雰囲気がバチバチに出ていたから抑えておけばええやろって感じになったのかもしれませんが。

ラストのジャンプするところでぴょんぴょん跳ねてるきぃちゃんが可愛すぎる問題
あとは黒燕尾……これだけはちょっとどうしてももの足りない!
もっとだいもんに踊ってほしい!!あそこで2番手さんに受け継ぐのは悪くないんだけど、素敵なんだけど、そこから去っちゃうのが嫌!!なんです。
最後まで踊って、きぃちゃんと男役さん3人のところでつないでほしいと今でも思っています(笑)。
退団公演なのだから、もう贔屓しすぎじゃない?ってくらい贔屓してもいいと思ってるんですよね、個人的には。
特に男役の矜持、男役として積み上げたものを一番魅せられるのは燕尾だと思っているので、そこを途中でハケさせるのは辛い……(だいもんは辛くないと思うけど)って気持ちになっちゃうんですよねえ。
退団公演って難しいね。
結論が「退団公演って難しい」ってのがひどいなと我ながら思うんですけど、退団公演って演じる方も観る方も特別な作品となるわけで、プレッシャーも大変だと思うんですよね。
いくらいい作品を作っても100%の満足っていうのはない、と断言はできませんが相当難しいだろうなと思いますし、となると退団者(トップスター)のファンの満足度を高くするようにすればいいのか、となるとまた違うのかなとも思いますし。
私は退団公演で一番好きなのが、朝夏まなとさんの退団公演「神々の土地」でですね。これは本当に情緒があって、寂寥としたロシアの大地に立つまぁ様がね……。
とまあ、自分の趣味は置いといて。
不満点はちらほらあれども、どちらの作品も素敵だという気持ちはたしかですし、今後東京に行くことでなにか変わる部分があるのか?など、まだまだ見どころがありそうです。
月曜日の退団公演はライブ配信で鑑賞予定ですが、どうやら寒くなりそうです。
雪組のみなさんが元気に千秋楽公演を行えることを祈りつつ……。
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