ちょっと前回から間があいてしまいましたが、前回のショーの感想につづいて、今回はお芝居「ピガール狂騒曲」のネタバレありまくりな感想です。
だいたい公式の人物相関図からある程度の展開が予想できる方は多いかと思いますが、なかなかに色々と覆してくれて、見てみて気持ちいいつくりでした。
最初っからネタバレ全開で参りますので、楽しみは取っておきたいよ~!という方はお手数ですがブラウザバックなどの対処をお願いいたします。
だいたい演者別感想になっちゃっていますね。後からかぶったことを書いてしまいそう…。
たまきちが女性役・男性役の2役に挑戦!
このお話の最大の特徴といえるのが、主演のたまきち(珠城りょうさん)が「男装している女性(ジャック=ジャンヌ)」と「生まれも育ちも(?)男性(ヴィクトール)」の2役を演じている点でしょう。
ただ、どうも2役というと「どっちか片方しか出られないじゃん」という印象がありますよね。
私もそう思っていました。とはいえ、そこがちょっと笑えるポイントにもなるので否定的な気持ちはなかったのですが。
いやいやしかし、ラストではなんと同時に存在!もちろんたまきちが分裂したわけではないのですが(笑)。
多分下級生であろう男役さんがヴィクトール役として存在。
私は観劇が下手側だったのでお顔が全然わからず、どなたなのだろう?とチェックしようとしてもプログラムの記載はきちんと「珠城りょう」なんです。素晴らしい!
(その下級生からしたらお名前を出してほしかったかもしれませんが…)
ジャック(ジャンヌ)を演じるたまきちは、こちらが「男装している女性」だと意識している部分もあるからかもしれませんが、非常に可愛らしくて女の子らしいところがあって…と、とても魅力的なキャラクターに感じられました。
歌のキーも普段より高いような気もしましたが、相変わらず安定しているたまきちを観て私も安心しております。安定感、大事。
さくらちゃんは、ちょっとボケてるのが似合う。
決して悪口ではありません…!!
今回さくらちゃん(美園さくらさん)が演じるガブリエルは、夫のちなつちゃん(鳳月杏さん)演じるウィリーのゴーストライターを続けることに嫌気がさし、自立を求める女性。
もともと育ちがいいからなのか、ちょっとボケた感じもある愛らしいキャラクターで、さくらちゃんにピッタリでした。
まあ、惚れた男の前だとだいたいああなるのかもしれませんね……。
物語のラストではジャックではなくヴィクトールと一気に結ばれることとなり、「え?ジャックのことが好きだったのでは?ジャックとヴィクトールは別人なんやけど……」と思った方も多いのではないでしょうか。
なんだかガブリエルがただ顔で選んでただけちゃうんか!?とも思える点なのですが、これは私は「シェイクスピアやしなあ」で諦めています。
ド偏見ですが、シェイクスピアの喜劇の場合、最後の持って行き方(ハッピーエンドにするためのカップル作成方法)がかなり強引なイメージを持っているのでこんなもんだなと思っています。「お気に召すまま」とか。
旦那様、ウィリーはめっちゃおもろいキャラでしたね。
正直最初はあまり出番がなくて「まあ、前作で結構出張ったからな…しゃーなしか…」と思ってたら、後半に畳み掛けるように出番(見せ場)が多くてめっちゃ笑わせていただきました。ありがとうちなつちゃん。
おだちん(風間柚乃さん)とのやり取りはもちろんのこと、従者(だよね?)のるね(夢奈瑠音さん)とのやり取りが好きですね……特に終盤でウィリーがヴィクトールに決闘を申し込むものの、現場に現れたのは(偶然そこに来た)ジャックで、決闘のやり取りをする際に銃を渡しつつもその後のドタバタにまぎれて銃を回収するところが、とても好きです。
なんというか、苦労してきたのかなと…(笑)。
「ON THE TOWN(梅芸バージョン)」でも相手役だったな~とか思い出しました。
れいこちゃんはいいキャラやったなあ
キャバレー「ムーラン・ルージュ」の支配人、シャルルを演じるのはれいこちゃん(月城かなとさん)。私の中ではコメディエンヌとしての土台を着実なものにしている部分もありますが、とてもいいキャラだったなと思います。
メタ的に言ってしまうと、「2番手美味しいね~!!」な役回り。
とはいえ、真面目にやっているはずなのにどこかトボけた部分を出せるのは、れいこちゃんのお顔がキレイだから。「おいおい大丈夫か…!?」と思う崩し方でも絵になるのは、彼女の大きな強みだなと思います。と、また演者別感想になっている。
最後はジャンヌとハッピーエンドですが、数分前くらいまで男性だと思っていた人が実は女性ってわかってからの受け入れ方のスピードがすごいのはやっぱりシェイクスピアやなって。
衣装も色々派手で観ていて楽しかった!
華やかなパリ、キャバレーのお話なので、衣装も派手なんです。
特にステージ衣装は可愛くて可愛くて!実際に踊り子役の皆様がカンカンをしてくれるので、非常に洗練されているといいますか、見応えがたっぷりなんですよね。
正直、人物相関図では「踊り子」としてくくられていた、ありちゃん(暁千星さん)やくらげちゃん(海乃美月さん)の出番ってめっちゃ少ないのかな…と思ったのですが、なかなかにインパクトを残してくれていた印象です。
ただ、インパクトで言えばウィリーの弁護士、ボリスを演じたおだちんに軍配が上がるかなという感じではありますが。色々持っていきすぎやで~!!!
他に目立っていた娘役さんはじゅりちゃん(天紫珠李ちゃん)ですね。
くらげちゃんと同じくらい目立っていて、これからますます来るかな?と期待しています。
もちろんベテラン勢も素晴らしかったです。
るみこさん(光月るうさん)はちょっとオネエな振付師なんですが、「歌劇」の座談会で「どのように演じればいいのかわからなかった」と仰ったのに、原田先生が「当て書きですが…」と返していたのが面白くてめっちゃ笑いました。
いいオネエでしたよ。ジャックに甘くて(笑)。
からんちゃん(千海華蘭さん)も出番が多くて個人的にうれしみ。ちなつちゃんと同期ならではの掛け合い?もあって大満足でした。長い足だもんね~!
と、まだまだ色々見ていて楽しいポイントがあったのですが、これは次回観劇時に改めて書きたいなと思っております。
そこそこ長い文章に付き合っていただき、ありがとうございました!
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