お芝居「元禄バロックロック」に続き、今回はショー「The Fascination!」の感想を。
2本立てでは「お芝居が1時間35分、ショーが55分」という構成が多い中、今回は「お芝居が1時間25分、ショーが1時間5分」と、ショーが長めになっています。
100周年記念の作品として、ショーの比重を上げたかったのでしょうね。
そんな記念碑的な作品ではありますが、個人的な感想は「全体がほんわりしてる」「若手どんどん出てきてるな~」の2つでした。
全体がなんかほんわりしてる
全体がほんわりしてるって何だよ!と言われそうですが。
ガツン!と強く印象に残るシーンがあんまりないなあ……という感じです。
個人的に記憶に残るショーは、観る回数がたとえ1回だけであっても「あのシーン素敵だったな」とか「あのシーンはあの後で……」と、強く刻まれるものがあるのですが、今作はそれが少なめ、というか全体的にトーンが近くて、「どれがどの場面だったかしら?」となりがちでした。
ひとつを思い出したら連鎖的に「こんなシーンもあったな」とは思い出せるんですけど、ピースとして明確なものが少ない、って感じです
印象に残ったシーンもちゃんとあるよ!
もちろん印象に残っているシーンはあります!
花組の皆さんで歌う「心の翼」は「やっぱりええ曲やなあ」としみじみさせてもらいましたし(心の中で一緒に歌いました)、ほのかちゃん(聖乃あすかさん)のピアニストの場面からつながるロケットも素敵ですよね。
あとは、男役群舞の時の曲……あれって、「シャルム!」で、レジスタンスの場面の後、亡くなってしまった華ちゃん(華優希さん)をなんとか頑張って起こそうとマイティー(水美舞斗さん)、ほってぃー(帆純まひろさん)、ほのかちゃんが金色の衣装で踊ってるところの曲と一緒ですよね?
(学がなく曲名がわからなかった → 「映画 ひまわりの曲ですね!」)
アレンジは全く違いますが、懐かしい気持ちになりました。
しっかり退団・異動の方々のシーンもあって○
今作で退団する方々や、異動するさおりさん(高翔みず希さん)のシーンもきちんとあって満足!
さおりさんは、あおいさん(美風舞良さん)と対になって歌っているシーンもありましたよね。確かお二人は同期なはず……(あと宙組のすっしーさんもそうですよね)。
まだ在団してくれるとはいえ、さおりさんが花組を離れてしまうのは寂しいですね……。
若手の台頭がすごくなってきた…気がする!
今回強く感じたのは「次世代の露出」。
いうて花組はこれまでピラミッドがギュウギュウ!という感じでしたが、少しずつそのピラミッドが薄くなってきているのも事実。
花組には名だたるスターが多くいますが、花組を「メインとして観ていない」方にとっては、若い学年でぱっと思い出せる子って、意外と多くないのではないでしょうか?
そんな方に対しても、花組ファンに対しても「花組にはこんな有望な若手がいますよ!」とこのショーでアピールしているようにも見えました。
2019年入団の(花組)トップ2が熱い!
その代表といえるのが、美空真瑠くんと夏希真斗くんのコンビではないでしょうか。
2019年入団で、確かおふたりとも成績上位者だったはず。なので今回抜擢されたのかな?と考えていますが(最近劇団はしっかり成績上位者を抜擢する傾向があるように思えます)、いや~フレッシュで弾けてましたね。
女の子っぽい(女の子なんだけど)可愛いお顔をしているのが美空くん、背が高く、がっしりとした男役らしい男役なのが夏希くんという印象。
二人は同じシーンでニコイチで使われていて、さらにパレードでもWトリオとして使われています。
ソロで何か~……というわけではないので、あまり語れる部分はないのですが……お二人ともぱっと顔をみて判別出来る特徴を持っていますし、今後の別箱での活躍、本公演への反映が期待されます。
逆に、だいやくん(侑輝大弥くん)やらまのくん(愛乃一真さん)の出番が抑えられているような……どうして!!
個人的には94年組(和海しょうさん・羽立光来さん)の出番もしっかりあって嬉しかったけど、もう少し、もう少し…!!
あわちゃん・美咲ちゃんの活躍も見逃せない!
若手の娘役は、2018年入団のあわちゃん(美羽愛さん)、2019年入団の美咲ちゃん(星空美咲さん)の二人の台頭がすごいですね。
特に美咲ちゃんは、メイン娘役としてマイティーと踊ったり、フィナーレの「情熱の花」のシーンでは娘2番手くらいの位置にいたり……と、かなりの躍進ぶりが伺えます。
そういえば、つかさ(飛龍つかささん)とエーデルワイスも銀橋でデュエットしてましたよね。
毎度毎度「銀ちゃんの恋」で絡んだ方々とコンビになっていて、脳内で「あっ銀ちゃんと小夏や」「あっヤスと小夏や」ってなってましたけど。
あわちゃんは今回新人公演主演もしますし、期待のヒロインですね。
銀橋での歌唱も披露してくれましたが、美咲ちゃんに比べると少々声量が少なめな印象。
というか、美咲ちゃんの喉がバケモンなんだろうか。銀ちゃんであんだけ叫んでても潰れてなかったし……。
ここちゃん(都姫ここさん)は一歩引いてしまった印象がありますが、あのコケティッシュな顔は大きな魅力ですし、大人っぽい役もできそうなのでもっと使われてほしいな~。
今後の注目は湖春ひめ花ちゃんでしょうか。
若手の歌い手として活躍し、Wトリオの中にも入っていました。花組の新たな歌姫となれるかどうか…!お顔も華やかで見つけやすくてよきですね。
この日は中断のハプニングがありました。
こういうのを残すか否かというのは、毎度悩む部分ではあるのですが……。
この日、ほのかちゃんのピアニストの場面→ロケットで暗転した後、男性の声が聞こえました。
もちろん観客の男性が声を出した感じではなかったので、スタッフさんの声であろうことはすぐにわかったのですが、「公演中にスタッフさんの声が入るって珍しいな」と思っていたら、突然降りる緞帳。
客席は少しざわつきましたが「これは舞台トラブルだな」というのは瞬時に理解でき、すぐに静まりました。
その後しばらくして「舞台機構のトラブルにより、現在公演を中断しております」とのアナウンスが。
この間も照明は落ちたまま(会場が暗いまま)なので何か出来るといった感じではありませんが、私はこっそりお茶を飲みました。
トラブルになった際に考えるのが
「何分くらいかかるんだろう」
「組子のみんな、集中力が切れてしまわないかな」
「誰か怪我とかしていないかな」
といったあたり。
これまでもトラブルがあった話を見たことはありましたが、まさか自分が体験できるとは!と、ちょっとワクワクしていたりも。
ただ、夕食にモツ鍋やさんを予約していたので、もしかしたら予約時間を変えないといけないかもな……とは思っていました。
結局モツ鍋やさんには間に合いました!
その後、5分を過ぎたあたりでしょうか。
再びアナウンスがあり「舞台機構の安全の確認が取れましたので、まもなく上演を再開いたします。お早くお席にお戻りください」。
会場は思わず「ここで席外した人おるん!?」という意思統一のもと、笑いでざわついていました(笑)。
形式的なものなのでしょうけど、そんな短時間のうちに!?と笑っちゃいますよね
結局10分押しくらいで幕が上がり、れいちゃん(柚香光さん)メインの「ラプソディー・イン・ブルー」からスタート。
「大変ながらくおまたせいたしました」というれいちゃんのご挨拶に大きな拍手が起こり、その後は何事もなく上演を終了しました。
毎日の舞台、トラブルが起こらないことのすごさに、スタッフの方々の尽力ぶりを改めて感じる出来事でした。
正直中断もあって判断しづらいところはあるかも。
ここまで書いておいてなんなんですが、初見で中断を挟んでしまったため、ショーの完成品(?)をまだ一度も観ていないことになるんですよね。
この日観た感じでは、「なんとなくほんわりしてるなー」って思いましたが、改めて通して観ると全然違った印象になるかもしれません。
なので、次回の観劇でどう感じるか、改めてきっちりと記憶してきたいな……と思っています!
色々と気になる点もありますし、まだ語りたいこともあるので……!!
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