前回記事に引き続き、花組「ステージ・ドア#13」の感想を!
今回もお芝居についての続きですが、今回はメインキャストの方々…つまりジェンヌさんたちではなく、先生方が語る部分になっています。
が、これがまた興味深いというか面白いのですよ!
普段演出の先生方の言葉を聞く機会はそこそこあれど、振り付けや作曲の先生のお話を聞く機会ってあまりないですので…!
相変わらずメモからの箇条書きやニュアンス言葉アリアリでお送りします。
劇中の楽曲について
植田景子先生が、楽曲についてもお話してくれました。
「ハンナのお花屋さん」もそうでしたが、本当に今回も曲がいい!!めっちゃいい!!
「皆、明日海さんのためなら」とすごく協力してくれたそうです。
メイン作曲である瓜生明希葉さんの楽曲に触れ、「曲に感情がすごく乗っている。メロディに心があり、そこがリアル」。
確かにハンナの曲も、ただメロディを聴くだけで何か心が揺さぶられる感じがします。曲そのものに心があって感情が乗っているからこそなのでしょうね。
作ってくれる曲は景子先生のイメージとも非常に合致していたとも。
それだけ曲に感情が乗っているからこそ、歌うことでさらに…となるわけですね。
「最初に稽古場で歌った時にみりお(明日海りおさん)も泣いちゃって」と仰っていました。
吉田優子先生(作曲)
本編最初に歌われる「A Fairy Tale」や、ニックとフローレンス、エリュとハーヴィーがデュエットする「Dear Friend」を作曲された先生です。
初めて拝見したのですが、めっちゃ関西弁で喋ってられて親近感わきました(笑)。
「テーマは時という不変のものなので、時代やイギリスだからということにこだわってはいない」といったニュアンスのことを仰っていた…と思います。
「A Fairy Tale」では、その曲を聴いて自分の思い出や昔のおとぎ話のことを思い出してくれたら…と。
「Dear Friend」では人間同士ではなく、精霊と人間が歌う曲でもあるのでいろんな解釈が出来るように、シンプルなものにしたとのことでした。
大石裕香先生(振付)
続いては振付の大石裕香先生です。彼女も関西弁イントネーションでめっちゃ安心します。
ちょっとだけ調べましたら、大石先生は元々バレエ畑の方で、植田景子先生の「舞音」や「アンドレア・シェニエ」でも振付を担当されているなど、非常に縁が深い方なのですね。
大石先生が振付をしたのは精霊たちのダンスシーン。
- (精霊は)目に見えないものなので、人外ぽくなるよう意識した
- でも存在感は持たせたいので、目線などにこだわりがある
- あとは皆のニュアンスやイメージ次第
- 動きに慣れすぎるといけないので、入りすぎないようにと伝えた
と語っていました。
また、同時に「明日海りおについて」という質問(?)については
- いつでもナチュラル。稽古場でも同じ。
- その瞬間の感情を素直に表現する、まさに「今に生きている」人
- 舞台人としても、とてもみていて勉強になる
とのこと。今に生きているって素晴らしい言葉だなあと一人でじんわり。
人間が生きられるのは「今」という瞬間だけで、未来や過去に生きることは出来ません。だからこそ「今この瞬間」を意識して動くことが大事という教え?が私は好きなんですけど、なかなか出来ないことが多いです。
他人から「今に生きている」って言われるってすごいな~羨ましいな~…と思っちゃいますね。
そしてそんな大石先生に対して、植田景子先生は
- 本人も忙しいのに「なんとかして(振付を)やりたい!」とすごく頑張ってくれた
- 彼女のプロ意識の高さと明日海りおへの愛情の強さの賜物
と素敵な言葉を送ってらっしゃいます。
大石先生は1日も休むことないレベルで振付(稽古)をして、かつ東京にとんぼ返りされることも少なくなかったそうです。
私達が直接目(耳)に出来るのは舞台のセットや、舞台上に立っている演者たち、素敵な音楽とそこで「目に見えるもの・聴こえるもの」だけですが、こういったお話を聴くと、本当に舞台(に限らずなんでもですが)は多くの方々の高い意識で成り立っているのだなと改めて感じさせられます。
舞台稽古の様子と、植田景子先生の話
「ステージ・ドア」では舞台稽古の様子も少しだけですが放送されました。
たった3日ほどしかない舞台稽古。限られた時間で調整を繰り返し、そこでまた深めていく作業というのは大変なことだと思います。
ここではりおちゃんとれいちゃん(柚香光さん)の微笑ましいシーンもみられます。
その後、植田景子先生が改めてこの作品に関してお話をされていたのですが、それがとっても私にとって納得というか「よかった~!」と思えたので、そこをピックアップ。
「明日海りお率いる今の花組で、今のタイミングでしか作れない作品にしたかった」という言葉から始まり、「特に明日海と華(優希)は『ハローグッバイ』で1作限りなので」と。ハローグッバイって響き、いいな~と思ってしまいました。
なんというか、めっちゃ景子先生っぽいイメージです。
この二人の組み合わせについて景子先生はべた褒めで、「この二人でもっと芝居を作りたかったと思うくらい、(ふたりとも)心で芝居が出来るし、あの二人には色々な可能性がある」…と。
今回の作品では本当に、りおちゃんはもちろんですが華ちゃんのお芝居力の高さをどや~!!と見せつけられた(ご本人はそんな押せ押せじゃないですけども)感じでした。
また違った、人間同士の芝居も観てみたいな…と思わせるほどに。
王道のラブストーリーはもちろんのこと、コメディーも合うかもしれません。個人的にはミステリーとか…(探偵と助手みたいな)。
「でも、1作でも(二人の組み合わせで)出来てラッキーだった」という景子先生の言葉も噛み締めつつ。
プレお披露目は「恋スルARENA」だったので、本当にこの1作だけなんですよね、二人のお芝居。
ああ、りおちゃんが辞めるのが来年だったなら…。あと2本は観られたのに!と思ってしまいます。
そして、ご自身が書いた作品について。
「何かが心に残ったり、何か作品について語りたくなるようなものを創りたかった」と仰った景子先生。
完全に私は術中にハマっております。
そして「ただ、わかりやすくてよかったねではなく、心の奥深くに残るものを…」と。
これも私めっちゃ理解できまして。
シンプルにお話楽しい!よかった!っていうのもすごく好きなんですけど、何かどっかひっかかって「あれはなんだったんだろう」とか、マイナスな意味ではなくプラスな意味で心の奥にずっと残ってるような、静かにあったまってるような…そんなお話がとっても好きなんです。好みと言うべきでしょうね。
だからこそ私は今回こんなに記事をアホみたいに書いているし、色々と妄想を膨らませているんだと思います。
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