最近は時間があったらブログの見た目とかをいじることが多くなって、それの記事まで書けそうなくらいになってきました…(ちょっと別のブログ立ち上げようかなあ、時間も出来たし…)。
それはさておき!今日千秋楽らしいですね!?明日かと思っておりました宙組さんの公演「El Japon-イスパニアのサムライ-」の全体的な感想をざくっとざくっと。
ちょっと辛口目かもしれませんのでご注意ください(キャストにではなく、他諸々に)。
要素は詰め込まれているけど一つ一つが薄く感じた
この作品は、とある事情により達人ながら剣を捨てた男「蒲田治道(真風涼帆さん)」が使節団の一人としてスペインに行き、ひょんなことから奴隷として売られた日本人の少女を救ったことをきっかけに、自分と同じような傷を持った女性と出会いますが、彼女が経営する宿屋は裏であくどいことをしている大農場主に狙われていた…。その女性を救うためになんやかんや(雑)頑張る話です。
…と、あらすじは非常に明快ですし、なかなかおもしろそうな要素がたくさん入っています。
達人なのに剣を捨ててしまった男!日本からスペイン!奴隷少女との出会い!自分と同じ傷を抱えた女性との出会い!農場主との対決!ワクワクしますね。
しかし、それらの要素自体はこの作品に詰め込まれてはいるものの、要素が多すぎるのか割り振りが微妙なのかわかりませんが、一つ一つの要素が非常に薄く感じてしまいました。
要素が薄いためにツッコミどころが多い
要素が薄いとその弊害が出てきてしまいます。
それは、ツッコミどころが多いことです。
私はツッコミながら観る舞台は好きなので(もちろん劇場で観る時は脳内ツッコミだけですよ!)別段いいのですが、「謎」を残すならまだしも「疑問」を残すのはあまり良くないのではと思います。
非常に個人的な解釈ですが、「謎」というのはどのように捉えてもいいもので、想像することによりさらに物語を楽しく感じるといいますか、深く楽しむ要素としてあるものだと思います。
対して「疑問」は「これでいいの?」と思わせるもので、想像でさらに膨らませるというよりは想像で補完するといったイメージです。
ツッコミというのは後者の「疑問」に対して行われるもので、今回の作品において最大の「疑問」はこれではないかと思います。「藤九郎(和希そらさん)は不法滞在にならないの?」
これはね、私も本当に疑問なんですけど…この子は積荷としてよこしてこられたから最初から不法滞在マンなのか、それともうまいことアレハンドロ(芹香斗亜さん)がお貴族様パワーで戸籍いじって弟とか息子(養子)扱いにでもしてくれるのか…といろいろ考えたんですけど、どうなんでしょうねえ。
キャラクターも全体的に薄く感じてしまう
今回特に思ったのは「キャラクターの薄さ」でした。
主役である蒲田治道、そしてヒロインであるカタリナ(星風まどかさん)は主演なのである程度しっかり掘られていると思います。奴隷少女たちもかな。過不足ないと思います。
しかし、2番手の役であるアレハンドロは「なんかよくわからないチャラい男が実は貴族で水戸光圀公みたいなことした」くらいの印象しかないですし、3番手の役であるエリアス(桜木みなとさん)に至っては、初登場で通り魔みたいなことをして、あとはイキって治道にケンカうるだけのドラ息子って印象になっちゃってるんですよね…。
さらに最後は「大団円だな!」みたいな顔で爽やかにずんちゃん(桜木みなとさん)笑ってるんだけど。君こっち側の人間にいつなったんだよ!!って思っちゃいます。
キャラ設定自体は全く悪くないと思うんですよね。
だけどキャラの掘り下げが間に合ってなくて、特にアレハンドロはうっすいな…と初見から思いました。
決してキキちゃん(芹香斗亜さん)のうさんくさい演技が薄いというわけではないです。彼女は最高にうさんくさくて最高なのです。
せっかくオリジナルの題材なのだから、もうちょっとキャラ付けなんとか出来なかったのかしら…と残念な気持ちです。
プロローグ長くないですか?
あと観る度に思ったのは「プロローグ長くない?」ってことです。
お芝居のプロローグはショーとまた違った華やかさがあって大好きなのですが、「これってショーだったかしら?」って思うくらい長く感じました。
お衣装チェンジなどの理由があることはわかってはいますが…囃子の部分はまだしも、出航してから長いし、さらにまた王宮で歌とダンス…初見の時は「こんだけプロローグで尺とって大丈夫なのかな」と思っていましたが、2回目以降は正直キャラの薄さなどが気になっているので「この尺でもうちょっと芝居濃くしてくれないかなあ」と思ってしまいました。
隣の方の感想が腑に落ちた
と、ここまで結構ボロクソに書いてしまいましたが、この作品に対して「おもんない!クソ!」というつもりはありません。
面白いなと思う部分もありますし、魅力的な部分もあるのでひたすらに「惜しいな…」って感じなんです。
この前観劇した時に、隣の方が「荒唐無稽だけど面白かった」とお連れの方におっしゃっていて、「なるほどな~」と腑に落ちました。
私にとって面白かった、けど荒唐無稽な部分がちょっと気になってしまうけど、お隣の方は荒唐無稽だったけど面白かった、と面白かったに着地されていて、素敵な受け取り方だなと。
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