【花組】一幕からは一点、目まぐるしい展開「はいからさんが通る(2020.07.31)」感想4:本編第二幕について

花組
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前回の記事に引き続き、今回は二幕目の感想です!

一幕目に比べると物語の展開がはやく、また少尉と紅緒さんが離れることから群像劇の様相を呈します。

さらに陰謀に巻き込まれたり……と、1幕の華やかな印象とは一転した重い雰囲気になるのも特長といえるかもしれません。

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第一場・大正デモクラシー

二幕のオープニングは華やかなモガたちが踊るシーンから。

娘役さんたちの衣装がまた可愛いんですよね。

華ちゃん(華優希さん)演じる紅緒さんの衣装は、はかま姿から可愛いパンツスタイルに。

初演ではジャケット+ロングスカートでしたが衣装が変更されたようで、初演に比べるとちょっと幼い(紅緒さんの年齢を考えると、きっと適正なんでしょうけど)印象になりました。

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第二場・冗談社

お仕事をもらうために冗談社に行く紅緒さん。

一幕でもチラリと出演していた、あきらくん(瀬戸かずやさん)演じる青江冬星がここから本格的に登場。

あきらくんの長髪はちょっと新鮮ですね…。いや、でも「蘭陵王」でもポニーテールだったし!?あれはあれでまた違いますかね…。

女嫌いという点を強調するためか、紅緒さんは冬星さんに対しては結構ボディタッチが多いですよね。蘭丸にはあんまりしてないのに……。

 

第三場・狸小路伯爵邸・門前

ミハイロフ公爵初登場(?)。この衣装がまた似合うんですよね~れいちゃん(柚香光さん)。ナチュラルボーンプリンスだね。

りりかちゃん(華雅りりかさん)演じるラリサさんがロシア語でお話していますが、ドイツ生まれなんですよね?ドイツから亡命してシベリアに来たの?そもそもロシア人なの?と原作を知らないため微妙に混乱しています。

飛行船で亡命って、今考えるとすごいなーと思いますね。かなり日数かかるんやろうな。

ここで、くりすちゃん(音くり寿さん)演じる環さんと紅緒さんが再会。環さんもアグレッシブですよね。性根もいいし、こんな親友ほしい…。

さらに、マイティー(水美舞斗さん)演じる鬼島軍曹と初めての出会い。写真と一緒で残念がるところは笑い声が上がってました。

第四場・冗談社

人を増やして冗談社に帰社。

紅緒さんが環さんや鬼島さんにカバンからあめちゃんをあげていて、何やら3人で喋ってるのがめっちゃ可愛かったです。ちょっと音が入ってたんですよ。何言ってたかまではわかりませんでしたが……。

なしくずしで紅緒さんの採用が決まったところで、冬星さんのお母様とお父様が来社。

初演ではうららちゃん(春妃うららさん)だけでしたが、今回はお父様びっく(羽立光来さん)も登場。

初演の時も思ったのですが、うららちゃんがママとか若くてキレイで羨ましい限り……!!お顔にも品があるので、もと華族のお嬢様というのもうなずける設定だなと思います。

お父様もまたいい人なんですよね……。家庭環境が決していいとは言えるものではありませんが、個人的には悪くないんちゃうかなあと思っちゃいますね。

そしてひたすらにお茶をこぼし続ける紅緒さん。このへんのオチは原作感がありますね。

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第五場・狸小路伯爵邸

紅緒さんのことから記憶が戻ってしまうのでは?と心配するラリサさんのシーン。

脚本(プログラム)上でもきちんとミハイロフ公爵記述になっていて、細かいなと思います。いや、ミハイロフ公爵なんですけどね!!

第六場・狸小路伯爵邸・舞踏会

もう一度会いたい!と舞踏会に潜りこむことになった一同。

この時の!ほのかちゃん(聖乃あすかさん)が!美しすぎる!!!いやあ~本当に女の子みたいでした。女の子なんだけど。

その後は紅緒さんにとっては辛い展開……なのですが、ラリサさんがロケットを紅緒さんに見せるシーンでたまたまロケットがうまく開かなかったからか、これまでよりすごく時間がかかっていて、りりかちゃんはアドリブのセリフでつないでいました。

ひどい言い草ですが、ロケットが開いたかなんて正直観客からはわからない(見えない)ので、ささっと手で隠すようにして見せちゃってもいいのに……とも思ったのですが、なんというか、プロ根性を見せてもらった気がしました。貴重です。

ミハイロフ公爵は少尉ではなかったけど、少尉が死んだと決まったわけではない」という非常に前向きな考え方は、なかなか多くの人にはできないことだろうと思います。

それをできる紅緒さんは、やっぱり人としてすごく強く魅力的な女の子だなと改めて思わされるシーンです。

第七場・路上

紅緒さん、いい子なのに踏んだり蹴ったりすぎるやろ……。

 

第八条・狸小路伯爵邸

冬星さんがミハイロフ公爵に直接殴り込み。警備ガバガバやな。

まあ個人宅だからそんなもんなのか……?しらんけど……。

初演の時のここの少尉はどっちつかず感があってイマイチだな~って感じていたんですが、今回の少尉は状況に説得力が見えて「おお~よくなったな~(上から目線)」と感じました。

冬星さんの「銀行を継いで裁判に持ち込んで花村の保釈を勝ち取る」ってかなりパワーワード入ってるなと思いつつ聞いています。

第九条・反政府運動

少尉が日本帝国軍の軍服に着替え出動!

いや、この衣装がイコール少尉であることは間違いないのですが、ミハイロフ公爵の服でもよくない……?と思ってしまうのは私だけでしょうか。
紅緒さん、あのままでも気づいたんだし……。

正装だからかな。うん。そう思うことにします。

そして親友の高屋敷くんを脅しつつ情報ゲット。「一度助かった命だ、大切にしろよ」と言われた5分後にはもう腹に傷を負っている少尉。すまんな親友。

そしてアッサリと証言をOKする印念中佐。もう心が折れてしまったのだろうか……。

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第十場・幻想~別れ

自由の身になったものの、そう長くはないラリサさんを慮って少尉から離れようとする紅緒さん。

なんていじらしいんだ…可哀想に……。と完全に紅緒さんに感情移入しています。

そこに冬星さんがいてくれたのは彼女にとって大きな救いとなったと思いますが、仮に冬星さんがいなかったとしても、彼女は歩けるでしょう。

いやーすごいよ紅緒さん。ほんとに。蘭丸の気持ちになっちゃうね(でも、やっぱり蘭丸は選ばれないのね……)。

このシーンで「雪」を演じる若い娘役さんたち、頑張ってひとりずつチェックしたいんですけれどなかなかうまくいかなくて。

その中でも今回新人公演で主演娘役を射止めた美羽愛ちゃんはすぐにお顔がわかりました。

男役・娘役どちらもぱっと目に入ってくることってすごく大事だと思うので、やっぱり選ばれるにはそういった理由があるのかな……と改めて感じましたね。

第十一場・関東大震災

紅緒さんの花嫁衣装がめちゃくちゃ可愛い!これは初演から思ってました。

ラリサさんを寝かしつけるために(言い方……)物語?詩かな?を読む少尉。すでにラリサさんは「忍さん」って言ってるんですよね。

その後の地震で息絶えるときに、自分の行動を謝って「恋のぬけがらになってほしくない」と訴えるわけですが、このセリフめちゃくちゃ好きなんですよね……詩的で。

でも正直、記憶が戻ってからもそばに置いていた(少尉が自分で居させてくれといった可能性も十分にありますが)のは、結構いい根性してるなとは正直思っちゃいますけど……。

結局愛する人にそっくりだとしてもその人でなければ意味がない、というのはラリサさんに限らず、誰でもそうですよね。

一方紅緒さんは逃げ遅れたであろう蘭丸を助けに火の中に入ったはいいものの、足をくじいてしまって、炎に囲まれた自分に気づいて思わず「誰か助けて!」と叫ぶ、悪く言ってしまえば後先を考えずに行動しちゃう紅緒さんらしいな、という部分が出てますよね。

これはフィクションでオチも知っているので安心して見ていられますが、実際に炎の中に入っていく人を見かけたら、やっぱり全力で止めてしまうでしょうね…冬星さんのお父様のように。いいセリフですよね。あそこで親子ができたんじゃないかなーと思ったりもします。

そしてやってくる少尉。軍服で。もうここまで通されると「そうだよな!軍服じゃないとあかんよな!」と思わせてくれるので小柳先生の勝利だと思います。私は負けた。

ラリサさんに2回救われた命(うち1回は負傷)で紅緒さんを助ける、というのがアツい展開ですね。

よかったよかった、な後はひたすら冬星さんをストーカーする軍服の少尉。怖い。

冬星さんも男前なんだよな……譲ってあげるとかさ……。

仮に譲らなかったら紅緒さんが恋のぬけがらになってしまう可能性があるので、できない選択だったんだと思いますが……いやでも、どうなんでしょうね?

 

第十二場・冗談社(焼け跡)

紅緒さんはいなくなってしまったけれど、冗談社のみんながいる!

冬星さんは人に恵まれていますね……。高屋敷さんはどうなんだろう、実際。かなりトラブルに巻き込んでるじゃないですか。申し訳ねぇで終わる問題なのだろうか……本が売れればチャラにしてもらえるかもしれないけど。

原作ではもうちょっと深堀りされているんでしょうか。

第十三場・小石川・大正十三年

少尉と紅緒さんが出会ったのは「小石川・大正七年」。あれから5年もの月日が経っていたことがわかります。

シーン自体は本当に何気ないものですが、最初と同じように女学生たちが出てきていることで、紅緒さんの成長を表すような演出も意図されているのかな、と思ったりもしました。

というわけで、今回の感想はここまで!
次回はフィナーレの感想を書きたいと思っております。

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