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たそこと元花組スター、天真みちるさんの書籍「こう見えて元タカラジェンヌです」を購入しました。
たそのTwitterいわくPOPも展示されているということで、エリザベートのガラ・コンサートの際に梅田の紀伊國屋書店に行ったのですが……。
探し方が悪かったのか、POPが見つけられなくてしょんぼり。
でも、書店の週間売上げランキングに入っていました!すごいぞたそ。
とても文章のテンポがよくて読みやすく、中にはホロリとするシーンもあり……。
たそファンの方はもちろんですが、花組ファン、宝塚ファンすべてにおすすめな書籍です!
どんな内容の本?
「こう見えて、元タカラジェンヌです」は、一言でいうと「みちるちゃんという少女が宝塚歌劇団に入団し、天真みちるという名前で舞台に立ってから、宝塚を去るまでの半生を語った書籍」です。
ご自身で宝塚に関わった半生を振り返って語る、自叙伝ですね。
この書籍の面白いところはただの自叙伝だけではなく、まだまだヴェールに包まれている「宝塚音楽学校」で授業を受けている時のようすや、「研1として舞台に立った時の心境」、そして「だんだんと学年が上がって行く中、自分ができることはなんなのか?と悩む時期」……などなど、華やかな世界に立ちつづけるための裏側がたその視点で非常にリアルに描かれています。
2幕の1本物。フィナーレつきで豪華!
この本は、たその作・演出によるドラマチックコメディ「こう見えて元タカラジェンヌです」。
構成は「たそが宝塚音楽学校に入り、その後花組配属になるまで」の1幕と、「宝塚の卒業を決心するまで」の2幕、そして「卒業までの道のり」のフィナーレつきの豪華なもの。
いずれもがユーモアに溢れた内容で、わくわくしながら読み進められます。
第1幕
第1幕は、
と、なかなかここまで詳細に語られることはないのでは?と思える、受験時のお話や音楽学校時代のエピソードがもりだくさんです。
第2幕
第2幕はタカラジェンヌとして成長していくたそが、当時の心境と共に語られます。
タカラジェンヌとしてどういったキャラクターを打ち出していくのか?自分はどのような役を演じたいのだろうか?と、舞台人としての苦悩を長く持っていたことがわかります。

たそだけでなく皆さんが悩むところでしょうね……
あのキャラクター性は一朝一夕で生み出されてきたわけではないのだな、と、改めて感じました。
その中で小池修一郎先生から大きく影響を受けたことが本書でも書かれていて、氏の演出を受けた3回、いずれもたそのターニングポイントになったとのこと。
また、たそは在団中に4人のトップスター(春野寿美礼さん、真飛聖さん、蘭寿とむさん、明日海りおさん)との出会いと別れがあり、それぞれの方とのエピソードも語られています。
トップさんと自身との学年差が大きいとふれあい自体が貴重なもので、「はわわ~!!」ってなってるんですけど、だんだんと学年の差が縮まってくるとふれあいエピソードも増えてくるというか、気軽になっている感じがわかるんですよね。
3.11は心が痛む出来事ですが、その上で宝塚を再開したことによる、舞台側の方々の気持ちが垣間見えたような気がして、ホロリときました。
フィナーレ
フィナーレは、たそが「自分が満足したら卒業しよう」と決意をした後、ジェンヌさんたちの中で通例?となっている「鐘」が聴こえるまでの物語。
たその場合はひとつの鐘ではなく、様々な要素の鐘があって、それぞれが鳴っていき……というスタイルで「なるほどな~」と思わされましたね。
千秋楽当日の密着レポも掲載されており、非常に興味深かったです。面白かった!
登場するジェンヌさんについて
こういった自叙伝で気になるところは「どんなジェンヌさんとのエピソードが語られるのだろう?」という点ではないかなと思います。
なかなかに登場人物が多いので、ざっくりと私が「主要人物だな」と思った方をピックアップしていきます。
同期(92期)
たそが92期である以上、同期の存在は外せません。
音楽学校時代によく名前が出ていたのが大澄れいさん、真瀬はるかさん。
90周年の大運動会で活躍?したちなつちゃん(鳳月杏さん)の名前もでています。
花組生・他組生
たそは花組配属でしたので、当然花組生はよく出てきます。
トップスターの皆さんはもちろん、花組同期生の名前も。
上級生として出てくるのは朝夏まなとさん、望海風斗さん、鳳真由さんなど下級生時代にお世話になった方々ですね。
また、他組生ではありますが、たそが重要な相談をした相手としてるみこさん(光月るうさん)も登場しています。
演出家の先生
演出家の先生の名前も多く出ていましたね。
やはりその中でも多かったのが小池修一郎先生で、彼女にとってのターニングポイントという言葉どおり、エピソードも濃く書かれています。
他には「スターダム」の際の正塚先生、「近松・恋の道行」の際の植田景子先生、「金色の砂漠」の上田久美子先生などなど。
個人的には植田景子先生とのエピソードが好きですね。紅(ゆずる)さんが出てくるとはまさか思わなかったです(笑)。

先生との愛のあるやりとりや、生徒さん同士のふれあいも読んでいて楽しいですね……
結局面白い。
「で、結局どうなん?おもろいの?」という疑問には「おもろい!読んで損なし!」と返します。
音楽学校時代のエピソードは「へー、こんな感じなんや!」と新たな発見があり、なかなかわたしたち一般人の知れないことが垣間見える……というのはやっぱり魅力的。
元宝塚の方々が本を出すことは今では珍しいことではありませんが、ここまで自分の半生を文字でしっかりと描いているものって、なかなかないんじゃないでしょうか。
りおちゃんが退団する際にも「明日海りお論」という本が出ましたが、こちらは当然りおちゃんの手が入ったものではありません。
あくまで「外野から見たもの」であり、「内側から見たもの」ではない、というわけです。
(ちなみにですが、「宝塚歌劇 明日海りお論 89期と歩んできた時代」感想という記事も書いていますので、興味がある方はこちらもご覧ください)
対して、「こう見えて元タカラジェンヌです」はたそが自分で100%執筆しているので、「その場所」にいたリアルが感じられます。
「宝塚の世界に興味があるけど詳しくないんだよね」という方でも、難しい用語は出ず(仮に出てもきちんと説明があります)、エッセイとしてスラスラと読めるかなと思うので、ぜひぜひ気になっている方は手にとってみても、損はないと思いますよ!

読み返して新たな発見をすることもあり……楽しいよ!
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