【OG】エドガー、ふたたび。「ポーの一族(2021.01.12)」宝塚版との違いを中心に感じたこと(ネタバレあり)

出演舞台感想
この記事は約6分で読めます。

1月11日から開演した、2018年に花組で上演された「ポーの一族」。

それが3年の時を経て、新たな形で蘇りました。

会場も変わり、出演人数も変わり、出演者も大きく変わったこの作品。

それでも、幕が上がって最初に思ったことは「あの時のエドガーがここにいる」でした。

スポンサーリンク

連続ドラマ版と劇場版みたいな違いを楽しむ感じ。

まだ1回観ただけではありますが、私は同じ作品の連続ドラマ版と劇場版みたいな違いだなと感じました。

ストーリー・楽曲・多くの演出は同じですが、やはり違うものです。

それは宝塚でも「再演」という形で同じ作品をするのと同じで、演者によって見えてくる世界が変わることを実感させてくれます。

好みの差は出てくるところだと思いますし、私だって正直「どちらが好み?」と聞かれたらやっぱり宝塚版!と答えます。

しかし、今回のバージョンが変!とか嫌い!というわけでもありません。

宝塚版にはない魅力があることも確かですし、それはそれとしてきちんと楽しめる作品になっていると感じました。

そっくりそのままではただの「再演」になってしまうので、違いがあるほうが面白い!と考えてます

スポンサーリンク

3年の時間を感じさせない幕開き

正直、3年という時の流れは人間にとってはそこそこに大きいもの。

もちろんりおちゃん(明日海りおさん)にもそれは当てはまるもので、「3年前とは結構ビジュアルも変わるのではないか?」と思っていました。

先行画像でも少し大人びた雰囲気を感じましたし、メイクも宝塚のものではなかったので、「エドガーではあるだろうけれど、少し雰囲気は変わるだろうな」と。

しかし、そこにいたエドガーは、あの時のまま。

少し髪の毛もふんわりしていますし、多分当時の映像と比べたら違うところはいくつもあるのでしょう。

それでも、「ああ、やっぱりエドガーは年を取らない(取れない)んだな」と幕開きから見せてくれたことに、強く感動を覚えました。

贔屓目も多分にあると思いつつも、やっぱりりおちゃんはすごいよ!!!!と思わせてくれました

上演時間は3時間。追加されたシーンや音楽もある

上演時間は休憩を含めて3時間と、宝塚時代と変わりません。

むしろ、休憩時間が25分に設定されていることとフィナーレがないことを踏まえれば、本編は長くなっていると言ってもいいでしょう。

とはいえ追加された部分はちょっとした歌(ワンフレーズ程度)くらいで、1シーンまるごと追加された!なんてことはありません。

逆にキング・ポーの覚醒の場面など、短くなったと感じるシーンもありました。
(登場するまでのダンスシーンが短め)

セリフに軽いメロディをつけているところ(具体的には、キング・ポーと老ハンナの会話など)もあり、よりミュージカルっぽくなった印象でしょうか。

メリーベルの歌が少し追加されたかな?と思う部分もありましたよ

ダンスは大幅に削減された印象

その代わりダンスは大幅に削減されている印象です。

エドガーがコベントガーデンで花売りの女の子のエナジーを吸ってしまった後に歌う「僕は狂っている」の際に出てくるエドガーの影は、こちらでは影には見えずにシンプルなダンサーさんという印象。

エドガーのような巻毛のかつらではありませんし、顔も仮面?で隠していました。

このへんは宝塚との大きな違いだなと感じますね。

誤解を招くような言い方をしてしまいますが、宝塚の場合は出演者一人ひとりをスターとして扱うので、不必要に顔を隠すことがないんだろうなと。

本来の演出としてはこういう感じで小池先生はやりたかったのかな?とか考えたりもしました。

個人的には2幕、メリーベルに会いにきたアランをエドガーが仲間にしようとするところのダンスがとても好きだったので(影も含めて)、そこが大幅に変わっていたのが残念でしたね……

スポンサーリンク

衣装やセットなども大きく変わっています

当然ながら、衣装やセットは宝塚時代のものは使えないので、新たに制作されています。

会場の広さや使える設備の問題もありますので、どうしても迫力は宝塚版に劣る部分はあります。

演出面の変更は多く感じる

例えば1幕最後の「愛のない世界」を歌うときの演出がめちゃくちゃ好きなのですが、そのあたりも当然に大幅な変更が加えられています。

宝塚版ではメインキャラクターがそれぞれ自分たちと絡まる運命に対しての行動を取っていたように感じられますが(アランがレイチェルの手を振り払い怯えたり、クリフォードがマーゴットを振り払っていたり)、今回ではある程度それらがカットされ、スッキリした印象です。

宝塚版よりも高低差を使った演出になっていて、アランが高いところからベッドに寝ているレイチェルを見ていたり……と、キャラクターの内面よりは現状を表しているような演出になっているように感じました。

衣装のイメージも宝塚版を踏襲。でも……

衣装も宝塚版を踏襲しているので、大きなイメージチェンジは少ないです。

ブラックプールに来た時のエドガーの服がグリーンだったのが、今回はボルドーになっていた…ような気がするくらいかな。

でも非常に大きく変わった方がお一人いまして。そう、シーラです。

正直シーラのお衣装は、個人的にうーん……な感じですね。

彼女は劇中で優美な貴婦人として描かれていますが、今回のお衣装は上品さよりも可愛さ?に振っているように見られて、イメージと違うかな……。

特にエドガーと最初に出会った時のドレスが解釈違いすぎて…

ねねちゃん(夢咲ねねさん)がかわいいイメージなので、それに合わせてデザインされたのかもしれませんが、もうちょっと淑女感があってもよかったんじゃないかなーと思いました。

 

歌は男声が入ることで大きく印象が変わることを実感

曲もすべて同じなのですが、男声が入るだけでここまで印象が変わるんだな~!と改めて思いました。

海外ミュージカルはもともと男性パートと女性パートで作られていることが普通ですが、この作品は宝塚が最初なのでキー設定も男性を想定していないと思うんですよね。

そう考えると調整は大変だっただろうなと思いますし、やっぱり宝塚のキーで一番美しくなるように作られているんだなとも感じました。

単純に聴き慣れていないのが大きいですが…

とはいえ、やっぱり聴くと「ええなあ~!!!」ってなります。

生オケなのも嬉しいポイント

個人的に嬉しいのは、(多分?)生オケだったことです!

指揮者の方しか出られていないのですが、それでも舞台はやっぱり生オケだと嬉しいものです。

宝塚は現状録音演奏になっているだけに、生オケの良さ、ありがたさを改めて実感しました。

次回はもうちょっとじっくり観てこようと思います

今回はりおちゃんを生で見るのが1年以上ぶりということもあり、正直「りおちゃんが動いている!!」「歌っている!!」「本物!!」みたいな感情も大きくて、色々と見逃してしまったところもあるんじゃないかな……と。

1回じゃどうしても観きれない部分も多いものなので、次回の観劇ではもうちょっと細かいところをじっくりと観てこようと思います!

 

 

コメント