【月組】「Dream Chaser」感想|美しいピラミッドの元に作られた王道のショー【ネタバレあり】

月組
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お芝居「桜嵐記」の感想はすでに書いていたのですが、まだショーの感想は書いていなかった!というわけで、今回はショー「Dream Chaser」の感想です。

(お芝居の感想→【月組】「桜嵐記」初日観劇感想。近年観た退団公演作品の中でも素晴らしい出来【ネタバレあり】

こちらのショーは全部で8場と、多分一般的なショーに比べると場の数自体は少ないのですが、その内容はそれぞれ濃密になっています。

「ショーでこういう場面見たいんだよね」が詰まっている、王道かつ満足度の高いショーに仕上がっていると思いました。

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美しいピラミッドがあるから作れる構成

このショーがどうして魅力的なのか……私の出した結論は「美しい男役のピラミッド」です。

トップスターのたまきち(珠城りょうさん)を中心に、2番手としてれいこちゃん(月城かなとさん)、3番手のちなつちゃん(鳳月杏さん)、4番手のありちゃん(暁千星さん)、多分5番手のおだちん(風間柚乃さん)と、タイプが違う男役が5人揃う美しさ。

この美しさは、大劇場版の「Sante!!」を思い出します。

あのときの花組も、タイプが違う男役のピラミッドが美しくハマっていて、めちゃくちゃ魅力的に感じていたんですよね。

それと同じものを今回のショーでも感じます。

これはトップスターだけじゃダメで、きちんとピラミッドとなる男役さんがそれぞれ実力も魅力も兼ね備えていることが必須。

今の月組は非常に充実している時期なんだな、と思わせてくれます。

男役の割り振りからも感じられる

ピラミッドが美しいことは、場面による男役の割り振りからも感じられます。

ちなつちゃんとありちゃんがコンビで使われることが非常に多く、2番手のれいこちゃんがその場にいなくても、しっかりと場を作れる実力と魅力があるからこそだなと思います。

れいこちゃんはあんまり出番がないかな……?と感じてはいますが

とはいえ、れいこちゃんは重要なシーンではしっかりとメインを張っていて、塩梅がいいんですよね。

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様々なテイストが集まっていても、まとまりがある

宝塚のショーはやっぱり魅力的です。

そのため、「○○が見たい!」なものが多くなることもしばしば。

今回の「Dream Chaser」でもスパニッシュ、タンゴ、和風ロック……などなど、様々なテイストが凝縮されていますが、場と場の繋がりが美しく、ぶつ切れ感がないのがとっても快適です。

たまきちの退団公演ということもあって、どちらかと言えば男役さんの場面の方が多いですが、さくら(美園さくらさん)のソロのシーンや銀橋渡りもあります。

ただ、さくらにはもっと脚を出してほしかった……!!!きれいな脚は国宝なのです。

最初はサヨナラ感はなかったけど……

私は雪組さん、だいきほ(望海風斗さん&真彩希帆さん)退団公演のショー「シルクロード」について、すごくいい作品なんだけどサヨナラ感が薄いなあ、といった感想を持ちました。

(詳細>>【雪組】いいショーだけど不満点もぽつぽつ「シルクロード(2020.01.06)」ネタバレあり感想

こちらについてもそんな印象を受けていて、「最近はサヨナラ感がないショーが受けてるのかなあ」と思いながら観劇していました。

が。

後半、ロケットが終わった後のシンプルな黒燕尾→デュエットダンス。

ここから一気に「サヨナラ」に持っていかれました……。

現在発売中の「歌劇 2021年 6月号」にて、演出の中村先生から「デュエットダンスから一気にサヨナラモードに入ります」という言及があったので、覚悟?はしていましたが。

デュエダン→男役との絡み→ソロという流れが神

まず、デュエットダンスがめっちゃいい。曲もいい。

さくらは名前に合わせた桜色のドレスなのかな……めちゃくちゃ可愛いです。

時間もたっぷりと取ってあって、リフトもあり、銀橋でのダンスもありと盛りだくさん。

タンゴのシーンもそうですけど、かなりレベルが高い振り付けをしてるんじゃないかな?と素人目に感じました。

その後、さくらだけが去って、新たにたまきちと縁の深い6人が登場。

専科に異動となるゆりちゃん(紫門ゆりやさん)、まゆぽん(輝月ゆうまさん)。

ずっと支えてもらっていたるみこさん(光月るうさん)。

共に育ってきたからんちゃん(千海華蘭さん)、ちなつちゃん。

可愛い後輩のありちゃん、そして次を担うれいこちゃん。

いいメンツですわ……本当に……。るみこさんがたまきちの汗拭いてあげるのもホント微笑ましいです。(初日は思わず笑いが起こってました)

そして最後にたまきちがソロで踊り、歌い……。

この流れが個人的に神なんですよね。本当にありがとうございました。

フィナーレ衣装も青で爽やか!

たまきち、さくら、れいこちゃんのフィナーレ衣装はブルー系で統一されていて、とっても爽やか!

れいこちゃんとさくらの羽根はちょっと「ロミオとジュリエット」を思い出しました(笑)。

たまきちの羽根がすごく豪華で、ナイアガラ(羽根の下のしっぽの部分)が深い青からのグラデーションになっていて、めっちゃくちゃキレイ!

正直初日はたまきちの衣装を見て泣いたくらい感激しました。

贔屓のときは泣かなかったのに……

さくらがエトワールっていうのもいいなあと。

若手の子がやってもいいのでは?という気持ちもちょっとはありますが、さくらがどこまでも主役でもいいよな!と思っております。

まとめ:バラエティ豊か!最後は笑顔で楽しめるショー

お芝居の出来も素晴らしかったですが、ショーの出来も素晴らしくて、超お得!な演目です。

お芝居とはまた違った月組生の魅力を感じられますし、「こんな男役が見たかった!」という部分もしっかりカバー。

構成自体は王道な感じですが、やっぱりいいもの、安心するものだから王道なんですよね……。

メインのお衣装もゴールド基調でとっても華やかですし、サヨナラ部分はちょっとしっとりもするんですけど、最後の皆さんの笑顔が眩しくて、笑顔で「楽しかったねー!」って帰れるショーになってます。

このご時世でなければ、「絶対行け!!!」と自信を持って言える公演内容なので、興味がある方は配信などでご覧になっていただきたいです!


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