「LOVE AND ALL THAT JAZZ」1幕感想(ネタバレあり)|おだちんの頑張りが光る一作。歌も歌いまくり。

月組
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10月8日に、おだちん(風間柚乃さん)初主演のバウ公演、「LOVE AND ALL THAT JAZZ」を観劇してきました!

100期生では、ほのかちゃん(聖乃あすかさん)に次ぐ二人目のバウ主演。

今後は雪組の101期生、縣千くんの主演も決まっていますし、どんどん若手がバウ主演をやっていきそうな予感がしますね。

ユダヤ人・ナチスなどを含んだ重い背景のお話ではありましたが、ところどころクスっと出来る場面もあり、重すぎないいいバランスだったと思います。

今回は、あらすじを書きつつ、そこにちょっとずつ感想を挟んでいく形式にしたいと思っています。

ってやってたらクソ長くなったので、1幕と2幕にわけちゃいますね……

なので、今後配信を観る予定だから、ネタバレはちょっと……という方はお気をつけくださいね!

2幕の感想はこちらから
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お話はだいたいあらすじの通り

公式の「公演解説」にも記載されている通りにお話は進んでいきます。

1幕はベルリンからフランスに向かい、カナダに到着するまで。2幕は舞台をカナダに移します。

廃れたジャズクラブでひとりピアノを演奏するルーカス(おだちん)の登場から物語がスタート。

一曲を披露し、そこにきよら羽龍ちゃん演じるユダヤ人、レナーテが逃げ込んできます。

礼華はるちゃん演じる、元ルーカスとの音楽学校の同期、現在はナチスの親衛隊となったゾマー少尉が彼女を追って来ますが、レナーテを「仕事を探しにきた歌手」とすることで、なんとか乗り切ります。

ここでレナーテがワーグナー「ワルキューレの騎行」をアカペラで歌います。

だからこそ歌うまの彼女じゃないと!と思えるシーンでした。

また、ナチスの親衛隊ははるかちゃんの他に一星慧くん、大楠てらくん、槙照斗くんが務めているのですが、皆背が大きくて迫力がすごいですw

ルーカスはナチスに対して2つの面から恨み・嫌悪感を持っています。

ひとつは、音楽は自由であるべきなのにジャズを「退廃な音楽」として禁止したこと。

そしてもうひとつは、自身の両親を殺されたこと。

彼の両親は研究者(教授だったかも…)で、ユダヤ人とともに研究を行っていました。

ナチスによりユダヤ人が公的な仕事をできなくなった際、同僚であるユダヤ人をかばった両親は処断されてしまったのです。

ルーカスは残された店で自分なりの抵抗を続けていましたが、「ベルリンにこだわる必要はない」と思いたち、レナーテとともにベルリンを去り、自由にジャズを楽しめる場所、パリを目指すことに。

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命がけの脱出劇。パリでの再会。

ベルリンを出るためには、偽造書類をつくらなければなりません。

ルーカスのジャズ仲間たちが国外に逃亡する際に世話になったという、一流の偽造屋シュミッツを訪ねます。

最初はレナーテがユダヤ人ということもあり拒否されるものの、ルーカスの微笑みの説得により快諾してもらえることに。

ただ、ナチスがすでに二人を指名手配したこともあり、ナチス軍の中佐とその妻としての偽造書類を急遽二人用に誂えたものを渡されます。

シュミッツを演じるのはやすちゃん(佳城葵さん)。その弟子?助手?のセレシュを演じるのは蘭尚樹くん。

この二人は何をやってもお上手で、さらに二人の歌のシーンもあって個人的に嬉しかったですね~!

二人は、ナチスの補給部隊の元へ向かい、偽造した身分証明書を利用してパリまで送ってもらえることに。

ここで確か、初めてのデュエットが入るはず……。

それっくらい、おはねちゃんは歌わないんですよね。おだちんはめっちゃ歌ってます。

これは非常にヤボなツッコミではあるんですが、いくら身分を偽れたからといって、「こんな軍服ははよ脱ぎたい!」とか言ってたら外に聞こえないかしら…?なんてひとりでハラハラしていましたw

実は盗聴されててピンチに陥らないかしら!?とか。

実際は全くそんなことがなかったのでホッとしました。

無事にパリに渡り、当時のジャズ仲間と再会したルーカスたち。

レナーテを国外に逃がすための地下組織に連絡を取ることもでき、彼女はついに自由への切符を手に入れることに。

なんとなく「ホテル スヴィッツラ ハウス」を思い出しますね!あれはスイスでの出来事でしたが。

2021年に宙組で上演された作品。

芹香斗亜さん演じるヘルマンたちは、実は裏でユダヤ人救出を図っていた。

【宙組】「ホテル スヴィッツラ ハウス」ライブ配信感想|芸術を護るためにできることを考えさせられる作品(ネタバレあり)

そして、せっかくパリに来たのだから!と、ルーカスのジャズショーが行われます。

行われますとはいいつつも、おだちんは踊って歌うのでピアノは弾いていません。

人種問題など重い背景が多い時代の話、キャラクターたちですが、ジャズの力でそれをひととき忘れる……というような、鮮やかながらも少し切ない、そんなきらめきを見せてくれます。

若手の子たちが多いので、フレッシュな雰囲気が出ているのもとってもよきでした。

その中でからんちゃん(千海華蘭さん)や桃歌雪さんなどのベテランさんがしっかりと締めているところも○!

二人の別れの時。そして……!!

順調に計画は進み、ついにレナーテが漁船に乗り、海を越える日。

そこにお腹を撃たれたジャズ仲間のひとり、真弘蓮くん演じるフィルが現れます。

彼は母親を人質に取られ、密告者としての仕事をさせられていました。

自分が痛めつけられてもルーカスとレナーテのことは話さなかったフィル。すきを見て逃げ出そうとしたところ撃たれてしまいますが、それでも皆に伝えなければ……と命を賭してやってきたのです。

「ナチスは自分の血をたどってやってくる。自分は違う方向に逃げるから、皆は役目を果たしてほしい」という彼の意思を尊重し、作戦を続行することに。

劇中、レナーテのために多くの人が協力を惜しみません。

「私は何もできない(お礼をするお金などもない)のに」という彼女に対し、

ルーカスは「ユダヤ人で生まれてきただけで、傷つけられる権利は誰にもない、何もなくても幸せになる権利は誰にでもある」という(ニュアンスの)素晴らしい言葉をかけます。

本当にこの人種だから不条理な扱いを受けるというのはあってはならないことですし、(それを圧力として押さえつけるようなことがなければ)思想であっても、好みであっても自由であることが本来の姿なんだよな……と考えさせられる部分でした。

またスヴィッツラ ハウスの話に戻るんですけど、あの作品も音楽院の同級生が発端とはいえ、自分たちの私財をなげうってでも助けたいと思う人達はきちんと居たんですよね……。

そして漁船がやってきたその時、フィルを追ってきたゾマー少尉がルーカスとレナーテの姿を見つけてしまいます。

脱出するのを止めるため銃を撃つ少尉。その銃弾は、レナーテをかばったルーカスに……。

撃たれた衝撃のまま、ルーカスは海に落ちてしまい、さらにレナーテも彼を追って海に飛び込みます。

逃すまいと、弾がなくなるまで銃を海に向かって撃ち続ける少尉を囲むは、ナチスに恨みのある人達……

という、なんとも気になるところで一幕が終わります。

ルーカスは生きているのか?レナーテは無事にたどり着けたのか?と、ワクワクさせる幕引きでした。

さすがの当て書き!ルーカスはおだちんによく合ってました

テーマが重く、見ていて苦しい場面もあるのですが、どうしようもない不条理に立ち向かうルーカスのまっすぐさは、おだちんのキャラクターによく合っているように感じます。

めげない芯の強さや、笑顔で押し通してしまうところも、なんとなく普段のおだちんもそんな感じなのかな……と思えたりして。

ヒロイン、レナーテを演じるおはねちゃんも繊細な演技が好印象です。

声がキレイで聴きやすいので、もっと歌うシーンがあってもよかったんじゃないかな?と思うところはありましたが、満足度は高いです!

次回は2幕の感想を書きたいと思います!

ぶっちゃけますと、ラストのオチは個人的にうーん……でした。

めっちゃ長い文章に付き合っていただき、ありがとうございます…!

 

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